男性不妊と漢方1.jpg漢方の不妊相談に来られるお客様はほとんどが女性です。そしていかにも自分が原因であるかのように話をされますが、病院での検査は二人とも異常なし。こんな時は、女性だけでなく男性が不妊の原因となっている可能性があることを必ずお話します。
また、たとえ女性に検査数値や生理の問題などといった様々な不妊になり得る要素があったとしても、男性のことは必ず考えなくてはならないと思います。
例えば、女性の体が今一歩で、妊娠の可能性が10%ほどだったとします。一方男性が元気100%であればそのまま妊娠確率は10%ですが、男性の調子が今一歩で50%の状態であれば妊娠の可能性は5%に落ちてしまいます。単純な例えですが、この確率の差は非常に大きいように思います。少しでも、男性の体の状態を良くすれば、赤ちゃんが授かる確率は必ず上がります。
科学的に見ても、男性の精子の数がここ50年ほどで半減しており、運動率も減少し、奇形率が増えているという報告がなされています。男性は「自分は大丈夫」という気持ちが強い傾向があるのですが、残念ながら数値という客観的な要素で、生殖能力が衰えていることは間違いないとされているのです。
また、検査数値が問題なくても安心できません。精子の量や運動率は変化しやすいため、ストレスや不摂生でたちまち状態は悪化します。まだ現代医学で解明できていない点ですが、女性だけでなく男性不妊も検査や数値だけで判断できない可能性は高いのです。
よって漢方的な診立てで、男性も体質を改善することをお勧めします。女性だけ苦しむ傾向のある不妊症ですが、男性もそれなりの覚悟で体調を整えるべきです。
今の30代、40代の男性は本当に忙しいと思います。体に無理を強いて仕事に頑張っている方も多いのですが、赤ちゃんを授かるためには体の手入れも大切です。ぜひ二人で漢方を服用して元気な赤ちゃんを授かりましょう!
次回は男性不妊と漢方について、具体的な考え方や服用すべき漢方薬を交えてお伝えできればと思います。