不妊と冷え.jpgなんとなく、かもしれませんが「冷えは体に悪い」「冷えがあると赤ちゃんを授かりにくく不妊となる」という感覚は皆さんお持ちのようです。そもそも冷えは主観的なものであり、周りの人がその程度を推し量ることは難しい症状です。しかし、自分の”感覚”は時として、検査数値より重要な意味を持ちます。不妊の検査をして問題が無くとも、身体が冷えて”辛い”状況であれば、何らかの体のバランスの崩れがあり、赤ちゃんを授かりにくくしている原因となっている可能性があるのではないでしょうか。
しかし冷えには様々なパターンがあります。以下に代表的な例を挙げてみました。
★足だけが冷たく、しびれる感じもするが、顔はのぼせることがある。
★手足の冷えが中心で、お腹や腰は特に冷えを感じない。
★冬は冷えが強いが、夏は逆に暑がり。
★基礎体温の値が低く、低温期が36℃以下、高温期が36.5℃以下。
★腰や背中が冷える感じが強く、カイロを腰に貼らないと冬は過ごせない。
★お尻や太ももの冷えが気になる。
この中では上の3つと下の3つでは、冷えの漢方的な原因が異なる可能性があります。上半分は巡りが悪いために冷えを感じているだけで、本物の冷えではないケースが考えられます。逆に下半分の3つは体全身の冷えである可能性が高いと思われます。
このように原因が違う冷えに対しては、漢方薬の対処方法も異なります。その見極めをしっかりしないと効果はなかなか現れないばかりか、逆効果になることさえ考えられます。
しかし上手に対処して、体のバランスの崩れを整えていけば、きっと妊娠のための近道となっていくことでしょう。冷え性対策の漢方に関する説明は以下のコラムにも以前書いていますのでご参考下さい。
冷え性と漢方
また女性に冷えは大敵であることは間違いありませんが、女性全てが体を温めるべき、という訳ではありません。”熱”がこもりやすい体質の方は、冷える感覚があっても温めすぎることは避けるべきです。特に20代前半の若い方は、それほど温める必要のない方も多いものです。
さらにショウガ、ニンニクなど、体を温めて不妊にも良いと言われるもの健康食品などで取り過ぎてしまうことも考えものです。これらは漢方薬として使われるほど温める力に優れていますが、一般的に使用する量は微量であり、大量に摂ると悪影響が出る可能性もあるとされます。「過ぎたるは及ばざるがごとし」、摂る量はほどほどにして心配な方は漢方薬局で相談してみて下さいね。