不妊のウソホント.jpg前回の不妊のはなしウソホント(1)に引き続き、今回は(2)をお届けします。
妊娠、不妊のメカニズムについては分かっていないことも多く、生殖と言う神秘的な現象と言うこともあってか、特にネットでは噂が独り歩きしがちです。漢方についても、明確に不妊解消に役立つというデータは出ていません。
しかしながら個人的には漢方の効果としか思えない事例を非常に多く経験しています。この事実を学術的に証明出来ないもどかしさもありますが、古人の知恵の結晶である漢方を信じて下さる方は妊娠に向けての一助にして欲しいなあと考えています。
さて話は少し逸れましたが、妊娠、不妊常識のウソホントの検証です。前回と同様、不妊カウンセラー養成講座において国際医療技術研究所の荒木重雄先生がまとめられた、様々な文献データをもとに記載しました。前回5項目挙げましたので、その続きとして6番から紹介いたします。
6)頚管粘液が粘稠を帯び、透明の場合には妊娠率は最も高く、約38%。しかし必ずしも妊娠の成立を見た際に上昇するわけではない。

いわゆるオリモノの話で少しタブーの印象がありますが、とても大事な要素です。私はFSHなどの値よりも頸管粘液の状態が、卵子の質を推し量る指標になると思っています。とは言え、どうしても主観的な話になり、比較も難しいという点がネックです。
7)性交の際の体位に関わらず、射精後数秒間で精子は頚管粘液の中に認められるようになる。また性交の方法と子供の性別に相関はない。

よく性交後はじっとしていなくてはいけないとか、人工授精後はしばらく安静にという話も聞きますが、これらは妊娠に影響を与えないというデータです。普通に行動して全く問題ないと考えます。
また、子供の産み分けについては古くから様々な言い伝えがあるようですね。しかし古今東西、男子を望む傾向が強いと思いますが、人口に対する性別の割合に大きな偏りはないという事実を受け止めるべきかではないでしょうか。とは言え性別は誰しも気になるもの。中国にも古くから伝わる産み分け表があります。気になる方はお気軽にお尋ねくださいね。
8)喫煙は男性の精子密度と運動性を低下させるが、妊娠率を低下させるという明確なデータはない。また女性の喫煙者は1から4年閉経が早まるとされる。
喫煙は健康に対して弊害が指摘されていますが、男性の愛煙家の方には嬉しいデータです。とはいえ、少なくとも妊娠率をアップさせることは無いと思います。タバコがストレス解消の非常に大きな手段となっているケースなどは無理に止めた方が良いともいいがたいのですが、吸わないにこしたことはありません。
また女性についても止めた方が妊娠の確率を上げることにつながる可能性の方が高いように思います。
9)少量のアルコール摂取は妊娠率を上昇させるが、ある程度以上の摂取は妊娠率を下げる。

こちらもお酒好きな方には心強いデータですね。お酒は体にとってよいという要素もあります。非常に大きなストレスを伴って禁酒するぐらいであれば、夜ビール1本ぐらいは問題ないのではないでしょうか。
10)1日5杯以上のコーヒーに相当するカフェインは、妊娠率を低下させる。1日1~2杯のコーヒーは妊娠に影響を与えない。男性の精子所見にも影響はなし。
コーヒーと健康の関係については諸説ありますが、飲み過ぎなければ問題ないというデータですね。リラックスのためのコーヒー1杯ぐらい何ら問題ないと思います。
これをすれば妊娠するということもなければ、これをすると不妊になるという絶対的なものは無いように思います。ネットなどの情報に惑わされずに、自分なりの信念を持って体調を整えていけると良いですね。