妊娠までのステップは多数ありますが、一つの大きな節目が着床です。子宮内膜に受精卵が着床することでhcg分泌が始まり、これがいわゆる妊娠反応となりますので、赤ちゃんを待ち望んでいる方にとっては着床が目標の一つとなってきます。
しかし特に体外受精を行っている方にとっては、一つの壁になるのが着床でもあります。グレードの良い受精卵が出来ているのに着床しないというケースもあり、子宮内で起こっている目で追うことのできない事象にもどかしさを感じることも多いことでしょう。受精卵までは「見える」のですが、そこから先は「見えない」ので不安に思って当然かもしれません。
着床は今の医学でも完全に解明されていないブラックボックス的な面もある現象です。排卵後のホルモン変化によって、子宮内膜が受精卵の受け入れを始め、準備が出来上がるとされる日が排卵から約5日から7日後。体外受精であればこの時を狙って、胚盤胞まで育てた受精卵を戻すことになります。
着床にとってまず大事だと考えられるのが子宮内膜。受精卵が安心してもぐりこむことが出来るように、フカフカで厚い子宮内膜が必要です。超音波で調べ、子宮内膜が8センチ程度の厚さ、最低でも6センチないと移植を延期するケースが多いようです。理想は10センチです。
そして子宮内膜は厚いだけでなく、質も重要と考えます。子宮内膜は赤ちゃんが育っていくベッドに例えられますから、出来るだけ栄養たっぷりで”安心できる”状態としたいですね。
また黄体ホルモンも着床に重要とされるホルモンです。排卵後の卵胞が変化した黄体が分泌するホルモンが、高温期を作り出し、着床と妊娠の維持に欠かせません。体外受精では黄体ホルモンを薬等で補充することが多いでしょう。
ただし、着床は受精卵の質が大きく関わっているともされます。着床しやすくするためには、まず良い受精卵を得ることがとても重要であることは間違いありません。
さて体外受精等の病院の治療では、ホルモン剤等の使用で着床の確率を高めるという方法がとられますが、それでも着床しないケースは多々見られます。その場合には漢方によって対策を考えてみても良いのではないでしょうか。
具体的には子宮内膜を厚くする、質を良くするためには、子宮に「血」を豊富に送り込むことが重要と考えます。よって「血」を補い、流れをスムーズにさせる作用がある漢方を使うことで、子宮内膜の状態を改善し、着床率を上げていくことを目指します。具体的には「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」や「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」などが有効と考えています。
とはいえこれもその方の体質次第。体質に合わせて、体のバランスを改善することが、着床の可能性を1%でも2%でも上げてくれると考えます。漢方の専門家に相談し、自分にあった「着床しやすくする漢方」を服用してみましょう。