顔が赤いときの漢方.jpg顔が赤い、いわゆる赤ら顔は、どちらかというと男性に多いような印象があります。しかし、慢性的でなく何らかの原因で顔が赤くなり、なかなか戻らないために困っているという女性は多いものです。そのような方は普段は色白でキレイな肌をされていますが、何かのきっかけでほっぺたなどが赤くなります。また、酒さ(しゅさ)と呼ばれるような慢性的な炎症状態になることもあります。
お化粧などで隠そうとしたり、ステロイド入りの軟膏で処理をしようとすると、かえって皮膚のダメージを与えて、症状が悪化する場合もあるでしょう。
「顔が赤い」状態は、漢方では基本的に”熱”と捉えます。漢方的な意味での”熱”は体が”温性”に傾いている状態を指し、のぼせ、口の渇き、イライラ感、なども”熱”過剰に伴う症状とされます。この”熱”はいわゆる”余分な熱”であり、これを取り去ることが「赤ら顔」治療の大前提となります。
なお「身体が冷えるのだけれど顔が赤い」という方もいらっしゃいますが、この場合、本質は「冷え」であったとしても、表面に出ている症状は「熱」と考え、「冷え」も考慮しつつ「熱」の治療を行います。
具体的には「涼血清営顆粒(りょうけつせいえいかりゅう)」や「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」「温清飲(うんせいいん)」などのお薬を使用することが多くなります。ただし、同じ赤ら顔でも程度や場所により、漢方的な判断が異なる場合もあります。自己判断はせず、一度は専門家にみてもらうようにしましょう。
赤ら顔の原因の多くは、ストレスや食生活も含めた生活習慣の乱れによるものです。まずはその対処をある程度行い、プラスして漢方薬を服用することによって、改善も早くなります。体質だとあきらめずに、体のケアをすると考えて、漢方を検討してみてはいかがでしょうか。