じんましんと漢方.jpgじんましん体質の方は意外と多く、理由がよくわからないのに突如として発症するケースも多々見受けられます。急性の激しいじんましんの場合は病院での治療が優先ですが、慢性的なじんましんやじんましん体質の改善には漢方の使用を考慮しても良いでしょう。
そもそもじんましんの原因は体内のアレルギー反応と言われていますが、そのアレルギー源と呼ぶべきものは、食べ物だけでなく、気温の変動、乾燥した空気、精神的ストレスなども考えられ、夕方になると決まって発症するという方もいらっしゃいます。食材などで必ず反応する場合には、それを摂取しない方が良いことは間違いありませんが、体調によってじんましんが出る時と出ない時がある場合などは厄介です。また日常生活の上で避けられないアレルギー源(気温の変動など)が原因の場合は、体質から変えていくことを考えた方が良いでしょう。
なお病院で処方されるじんましんに対するお薬である抗アレルギー薬は効果を示す場合もあれば、全く効かない場合もあります。またステロイド剤の方がより強力であり、一時的に痒みを抑えるためには有効でしょう。
さて一口にじんましんといっても、その性質によって漢方薬での対応も異なります。いわゆる「寒冷じんましん」と呼ばれる「冷え」から来るじんましんの場合は、「桂枝湯(けいしとう)」などをベースとして体を温めるお薬が適用となります。
一方、一般的な赤味を伴うじんましんに対しては「越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)」や「五行草(ごぎょうそう)」「天津感冒片(てんしんかんぼうへん)」など、「熱」を冷ますお薬を用います。
またじんましん体質の方は基本的に体のバリア機能が不足している場合が多く、そのためにアレルギー源に対し強く反応してしまうと考えます。よってバリア機能を強化するお薬である「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」を普段から服用し、体質改善を図ることが肝要です。
そういう私も5年ほど前、スッポン料理のフルコース(生き血なども含めて)を食べた時にじんましんを経験しました。これは急性じんましんですが、その時は「勝湿顆粒」と「黄連解毒湯」という漢方薬ですっと良くなりました。それ以降、「衛益顆粒」を飲み続けていますが、じんましんは出ていません。ただスッポンはあまり大量に食べないようにはしています…