光過敏症.jpg光過敏症、光線過敏症は日光過敏症とも言われ、普通は何事も生じない量の太陽光を浴びることにより、皮膚に何らかの症状を引き起こす疾患を言います。遺伝性の光線過敏症と後天的に生じた光線過敏症があります。色素性乾皮症などの遺伝性のタイプは治療が困難ですが、後天的な過敏症の場合はその症状の程度にも依りますが、適切なケアと薬の使用によって対応が可能です。
もちろん日焼け止めクリームの使用が大切となりますが、光過敏症の方の皮膚は敏感であることが多いため、そのクリームの選択も重要です。慢性光線過敏症皮膚炎の場合にはステロイドや、プロトピックなどの免疫抑制剤で対処することもあるようですが、効果があまり認められない例も多く、少しでも丈夫な皮膚を作るために漢方薬での体質改善も選択肢の一つとなるでしょう。
一口に言っても光過敏症の状態、程度は個々人によって大きく異なります。漢方を選択するうえでも、その体質に合わせて適切なお薬を選ぶことが重要です。
一般的にいえば、光線過敏症の方は「腎」と「肺」が弱い場合が多いように思われます。中医学で「腎」は「生命力」と言いかえることができ、体が持っている根底の力強さとも言えます。この「腎」が弱いと体の免疫力が弱くなりますから、日光という弱い刺激に対しても体が対応できずに症状を示してしまうと考えます。
また「肺」は皮膚との関連が強く、「肺」が弱いと皮膚も反応し、症状が出やすくなるのです。さらに「肺」は体の防御力である「衛気」とも関係しており、その「衛気」が弱いと体内に外部からの刺激が伝わりやすくなってしまうため、日光での反応が生じると考えます。
よって「肺」と「腎」を強くする漢方薬を原則として用います。「八仙丸(はっせんがん)」や「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」が候補として挙げられるでしょう。
ただし、皮膚炎などが現在起きている場合は”熱”と捉えて、それを取り除くお薬を最優先で考える必要があります。さらには外からのケアとして、「瑞花露(すいかろ)クリーム」などの保湿クリームを使用することも考えられます。
以上、光線過敏症の考え方と対処方法を簡単に記しましたが、体質改善を目指す場合にはその他の自覚症状も考え合わせてお薬を選択することが重要となります。出来れば一度は漢方薬局に足を運んで専門家に診てもらってから服用を始めて下さいね。