汗疱と漢方.jpg汗疱(かんぽう)は原因不明の湿疹で、手のひらや足の裏、指の間に小さな水疱が出来ます。汗、と名が付いていますが、汗による刺激だけでなく、金属アレルギーなどでも起こるとされています。足の裏に出来ると水虫と区別が付きにくい場合もありますし、掌蹠膿疱症との鑑別が難しい場合もありますが、比較的軽度な水疱のみで、菌が検出されなければ汗疱の可能性が高いでしょう。
実は私もこの汗疱らしきものが出来ることがあり、その都度対処しています。症状が軽度であれば数週間で自然に治ってしまいますが、その状態を引き起こしている原因をしっかりと漢方的な理論で考えて常日頃から体質改善に努めています。
また多汗症と併発することも多いとされますので、その改善も併せて漢方薬を服用することによって一石二鳥で治すことも出来る可能性があります。
この汗疱を細かく調べても汗が水疱の中にたまっている訳ではないそうです。しかし漢方の理論で考えれば”湿”すなわち余分な水分が原因であると捉え、その排除を行う薬が候補となります。
内服としては「瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)」や「五行草(ごぎょうそう)」が挙げられます。これらは”湿”を取り除く作用に優れた漢方ですから、”湿”が原因である多汗症にも効果を示す可能性があります。しかし多汗症の原因が”湿”だけでないことも多いため、体質をしっかりと把握してから服用する漢方薬を決定することが重要です。
また外用としては「華陀膏(かだこう)」が考えられますが、「五行草(ごぎょうそう)」を溶かして湿布して使う方法も即効性があります。「華陀膏」は水虫に使用するお薬ですが、痒みが伴う汗疱には合う可能性が高いと思います。しかし、汗疱もその症状は様々なので、塗り薬といえども専門家に相談してお薬を選択しましょうね。