カフェオレスポットと漢方.jpgカフェオレスポットは扁平母斑、ベッカー母斑などとも呼ばれ、名前の通り、カフェオレのような淡い茶色の色素沈着が生じる皮膚病です。分かりやすく言えば茶色いあざ。先天的に生じている場合もありますし、後天的に発生するケースも存在します。特に顔に生じると目立つため、気になるケースが多いでしょう。とはいえ顔ばかりでなく体全体に出来るとされます。なお思春期に胸や背中などに発生する場合を特にベッカー母斑と呼びます。
カフェオレスポットの西洋医学的治療は、原則としてレーザー治療となります。しかし治療の方法や部位などにより再発の可能性もありますし、レーザー治療に抵抗がある方も多いでしょう。
カフェオレスポットは痛みや痒みなどはありませんから、基本的には美容の観点からの治療となります。
漢方的な対処方法を選択するケースとしては、まず後天的であることが重要となります。完全に先天性のカフェオレスポットであっても、成長と共に良くなるケースもあるようですが、基本的には内服漢方薬での治療は難しい側面があるでしょう。もう一つはレーザー治療などの西洋医学的方法が怖いという方です。そして最後にカフェオレスポットが生じた漢方的要因の排除が、今後の体のケアに結びつくと言うことを考えての服用です。やはり何かしらの理由が合って母斑生じたと考えられますので、その対策を漢方的に取ることは重要と思います。
さてカフェオレスポットが生じる漢方的要因として第一に挙げられるのが「お血(おけつ)」すなわち血行不良です。「血」の流れが悪いと、肌がくすむとされますが、それが限局された状態がカフェオレスポットとする考え方です。特に思春期に目立ってくるケースは、ホルモンバランスの変化やストレスの増大によって、「血」の状態が悪くなって起こると思われます。
よって、その対処法としては血行の改善になり、具体的には漢方薬の「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」や「きゅう帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)」など「活血薬」と呼ばれる処方が候補となります。また。養生対策としては適度な運動と、ストレスの発散が主ですが、血液をサラサラにするための食事を実践してみると良いでしょう。
いずれにせよ短期的にキレイになる疾患ではありません。かなり長い目で見ていく必要がありますが、体全体のケアを考えても損はありません。
また同じカフェオレスポットでも出来た部位や、その他の体質も考慮の上で漢方薬を選択しなければなりません。服用を考える場合には、必ず専門家に相談してからにしましょう。
なお外用の観点から効果がある漢方をピックアップすると「紅沙棘(ほんさーじ)」が挙げられます。「紅沙棘」は血流改善作用があるとされますので、このオイルをカフェオレスポット部分に載せます。色が黄色いため注意しなければなりませんが、このような外用の方法も取り入れるとなお改善は早くなるでしょう。