女性にとってお化粧は身だしなみの一つ。公の場でのノーメイクは常識はずれとされることも多いようですね(個人的にはどうかと思ってしまうのですが…)。そのため、お化粧がしっかりと出来ないことが大きなストレスとなっている女性は多くいらっしゃいます。
基本的に化粧品は油性のものですから、皮膚の呼吸を抑えることにつながり、肌にとっていいことはありません。それでも化粧が必要である方は、普段から肌の状態を整えておくことが一番です。
もちろん化粧品の種類も重要であり、低刺激性を謳う化粧品もありますが、必ずしもそれが良いという訳ではありません。また高級品の方が肌に優しいということもないように思います。肌の状態は人それぞれですから、いろいろと試して見ることが大切です。そのうえで、やはり化粧は必要なので、肌を強くしたいという方は、漢方薬の服用をご検討ください。
それでは化粧トラブル別に、中医学的に対策を考えてみましょう。
●化粧かぶれ、アレルギー
いわゆる敏感肌の方に多い症状ですが、化粧品をつけると赤くなるなど、反応してしまうタイプです。もちろん化粧品の種類を変えて、アレルギー反応を起こさない商品を使うことが原則です。しかし、どのような化粧品でも反応してしまう方もいらっしゃいます。
このタイプは、皮膚の防御力である「衛気」が不足していると考えられます。よって「衛気」を補う漢方薬である「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」などを用いて、皮膚粘膜の状態を改善すると良いでしょう。
●脂性で化粧が浮いてしまう
化粧は油ですから、お顔の方が脂が浮いていると、油と油ですから交わりませんよね。このタイプの方は洗顔の頻度が高く、ウォッシュを使い過ぎたりする傾向がありますが、顔の洗いすぎも肌にはよくありません。皮膚の内側から脂性対策をしたいものです。
同じ脂性でも様々なタイプがありますが、「瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)」などの、「湿」を取り除く漢方薬が主に使われます。
●赤ら顔で化粧がのらない
このタイプの方は乾燥肌の傾向があり、皮膚の潤い不足が主な原因と考えます。漢方的には「津液」や「陰」と呼ばれる物質の不足ですから、これらを補う漢方薬である「紅沙棘(ほんさーじ)」「瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)」などを用います。
また潤い不足かつ”熱”がこもっている時には、イライラなどの症状も伴います。この場合には「柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)」などが良いでしょう。
さらには体の内側は潤い不足であっても、外側に「湿」があるケースは、赤ら顔で汗が出ます。この場合には潤いを補いながら、「湿」を除く必要があります。
このように化粧の問題も様々であり、対策も異なります。実際の肌の状態も大きな判断要素であるため、どうぞ漢方の専門家にしっかりと相談をしてみて下さいね。