ヘルペスウイルスは、たくさんのタイプがあり、人間に様々な病気を引き起こします。有名なのが水ぼうそう。そして帯状疱疹もヘルペスウイルスが原因です。そして普通にヘルペスというと、口唇ヘルペスを指すことが多く、また性器ヘルペスも罹患率の多い病気です。
人以外でもヘルペスウイルスの病気はあり、私が動物薬の研究所にいた時には、猫のヘルペスウイルスの実験に少し携わっていました。猫に感染すると鼻かぜを引き起こす程度なのですが、しつこいウイルスでもあります。
人間でもそうですが、ヘルペスウイルスの感染症は、命に関わることは少なく、どちらかというとおとなしい部類であると思います。とはいえ前述したような様々な症状は、皮膚や粘膜にただれなどを引き起こし厄介です。
ヘルペスウイルスは人間と共存しているタイプのウイルスで、例えば水ぼうそうの症状が出た後は、神経節に潜んでいるとされます。そして免疫機構が崩れた時に、姿を現して症状を引き起こします。よって何度もヘルペスの症状が出てしまう方は、そのたびに免疫の力が落ちてしまっていると考えられ、体が出しているSOSとも言えるのではないでしょうか。
よって口唇ヘルペスも性器ヘルペスも、繰り返してしまう方は、まずは免疫が落ちないように心がけておくことが大切です。ストレス発散を心がけ、睡眠不足を避け、無理をしないようにしましょう。
漢方的対策としては、粘膜など表面の免疫力を高めるために「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」が一番良いと考えます。「衛気」と呼ばれる、体のバリア力を高めてくれる漢方薬です。
そして、抗ウイルス作用があるとされる板藍根もヘルペス対策には有効でしょう。こう見ると、普通の風邪予防対策がヘルペス対策にもなりそうですね。
ヘルペスは人間と一緒に長い間暮らしてきたウイルスです。皮膚に病状を引き起こす嫌なウイルスではありますが、あまり怖がらずに、体に優しい対応を考えていきましょう。