ガングリオンは手にもっとも高頻度に発生する良性の腫瘍です。大きなコブのような形状で見た目が悪く、痛みが伴うこともあります。若い女性に発症することが多いため、美容面から大きな問題ともなることが多いようです。
手にできることが多い腫瘍ですが、足の裏やひざなどにも生じます。腫瘍と言っても、内部に細胞が満たされているわけでは無く、ゼリー状の物質が中に含まれています。
ガングリオンは整形外科での治療が原則のようで、圧砕術と呼ばれる患部を強く圧迫して破砕することによって治療します。ただし再発も多いようですし、1センチ程度の大きさがないと破砕が出来ないとのことです。また手術で取り除く方法もあるようですが、抵抗がある方も多いのではないでしょうか。
仮に病院の治療で取り除いたとしても、ガングリオンの生じる要因が残っている限り、再発の可能性はあると思われます。その要因を漢方的な観点から分析し、対策を試みても良いのではないでしょうか。また病院での治療はちょっと嫌だなという方も、漢方での治療を検討されてもよいと考えます。
ガングリオンを漢方的な観点から考えると「痰湿」に他ならないと感じます。「痰湿」とは体に不要な物質のこと。この「痰湿」が表面に現れたものがガングリオンであると考えます。よって、「痰湿」を除く漢方薬を中心に検討されると良いでしょう。具体的には「星火温胆湯(せいかうんたんとう)」「瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)」「シベリア霊芝」などが候補となります。
なお「痰湿」は食べ過ぎ、飲み過ぎ、ストレス、胃腸虚弱など様々な要因で発生します。この発生要因を特定して、根本から治していく、もしくは漢方薬で治療しないと、上記の薬を飲み続ける必要が出てきます。
また、ガングリオンは「血」の流れが悪くなりがちな場所に生じやすい傾向があるような気がしますので、「お血」と呼ばれる血行不良に対しての対策を考えることも必要でしょう。
いずれにしてもガングリオンと言う一つの現象だけでなく、体全体の体質を考慮して漢方薬を選択する必要があります。また痛みがあるかないかというポイントによっても、対処方法は変わります。ガングリオンでお悩みの方は、ぜひ一度漢方薬局で専門家に相談をしてみて下さいね。