かさぶたは、傷などのあとに発生するびらん状のふたのことです。説明するまでもなく、かさぶたを経験したことがない方は皆無ではないでしょうか。私も子どもの時は転んで、よくかさぶたを作っていた気がします。最後に乾燥してくると、めくりたくなるのですよね。
かさぶたは外傷後だけでなく、一般的な湿疹、皮膚炎が治る過程においても発生します。医学用語では痂皮と呼びます。治ってきているとはいえ、このかさぶたが出来ると痒みが増し、掻いてしまうことで症状がぶり返してしまうこともあるため、意外に厄介です。またかさぶたが治ったあとに、跡が残ってしまうことが気になる方が多いようです。
基本的にはかさぶた自体を治すために病院に行く方はいらっしゃらないでしょう。確かに患部を守るために出来たかさぶたは、治っていけば自然と取れますし、こればかりはある程度の時間経過が必要です。
とはいえ、前述したように皮膚炎を抱えている方にとっては、かさぶたこそ厄介な場合もあります。この場合に漢方での対処を検討してみても良いのではないでしょうか。
漢方でかさぶたを見る場合、まずそのタイプを考える必要があります。かさぶたと言っても、黒ずんだ紫に近い色のこともあれば、白や黄色っぽいかさぶたもあります。また乾燥しているか、じゅくじゅくしているかによっても対処法は変わります。
大きく分ければ、原則としては乾燥度によって二つに分かれるように感じます。
1)カサカサのかさぶた
色の違いはあっても、滲出液が少ない場合です。この場合は、血流を良くして、「熱」を除くことが必要です。主に「清営顆粒(せいえいかりゅう)」が使われます。
2)ジュクジュクのかさぶた
滲出液が多く、膿んでいたりする場合です。このタイプは「湿」を除く必要があるため、「瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)」「五行草(ごぎょうそう)」を使用することが多いでしょう。
もちろん痒みが強い場合には、かさぶたの上からでも丁寧にスキンケアをする必要がありますす。「瑞花露ローション」「五行草」などを使ってケアをします。
皮膚炎の場合、かさぶたが出来ると「治ってきている」と考えて、油断してしまう方も多いように思います。しかし、しっかりと治すためにはもう一歩の治療が欠かせません。患部の状態に依ってお薬はかなり変わりますので、漢方の専門家に良く相談をして、服用するお薬を決めましょう。