子供の鼻血と漢方.jpg子供の粘膜は未発達であり、非常に敏感です。よって鼻をいじったりするなどの軽い物理刺激などでも鼻血が出ることがあります。またアレルギー反応としての出血も考えられますし、運動したことによる血流の増加に依るもの、急激な気温差に依る刺激などが鼻血の原因となることもあるようです。
子供の鼻血はさほど心配する必要がないケースがほとんどですが、急に出ると対処に困りますし、衣服の汚れなど、あまり頻繁だと両親の負担にもなります。また子供もびっくりしてしまうこととなりますし、友達からいろいろと負担がかかる言葉を浴びる原因となるケースもあるでしょう。
一度出血すると、一度止まってもしばらくするとまた出てくる場合も多いようです。少なくとも出血している間は行動が制限されますから、子供とすればストレスの原因の一つとなります。
ちなみに鼻血が出た場合の当面の対処は小鼻(目頭の少し下)を抑えて、じっとしていることです。
鼻血は興奮すると出るとかチョコレートを食べ過ぎると出るなどと言われますが、科学的な分析結果は無いようです。しかし中医学的には”熱”が関与していると考えられ、その”熱”は興奮やチョコレートの食べ過ぎで高まります。あくまで経験則で鼻血との関連が言われているのでしょうが、意外と理にかなっているとも言えますね。
対策としては”熱”が生じないような生活習慣を心がけ、もともと”熱”がこもりやすい体質の場合には、そのバランスの改善に努めることです。もともと子供の体質は”熱”に偏っている場合が多いのですが、暑がりで落ち着きが無い、夜熟睡できない、食欲が異常に多いなどの傾向があり、鼻血が出やすい場合などは何かしらの対処が必要です。
具体的には以下の生活習慣を心がけてみましょう。
★体を冷ます食材を摂る
ウリ科の食材(キュウリ、スイカなど)や、ナス、トマト、大根などを多く摂りましょう。ニガウリなども良いのですが、ちょっと子供には向かないかもしれません。ちなみにお肉を摂る場合は豚肉が良いでしょう。
★アイスクリームやジュースを控える
“熱”タイプの子はアイスや氷が大好きですが、これらは一時的に”熱”を冷やすだけで根本解決にはなりません。逆に胃腸に負担となり、悪影響が出る可能性もあります。
★汗をかく
運動をして汗をかくことで、”熱”が発散できます。冬場でもとにかく体を動かしましょう。
★お風呂はぬるめ、普段から薄着で過ごす
体を温め過ぎることは体に良くありません。子供はお風呂はさっと済ませましょう。
その他にもいろいろとありますが、根気強く続ける必要があります。早めの改善を望む場合には漢方薬を使用しましょう。「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」は鼻血体質に用いられる代表的な処方です。
また粘膜を強化すると言う観点から「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」という、バリア力(粘膜力)を付ける漢方の服用を考えた方がいい場合もあります。状況に合わせて適切な漢方薬を選択しましょう。