子供のやせ過ぎに漢方.jpg 子供はふっくらとしていることが多いものですが、活動量が増える2歳から3歳、そして小学校にかけて、段々とやせ気味の子も目立つようになってきます。
太っているよりもやせている方が格好がいいと、気にしないお父さんお母さんも多いかもしれませんが、やはりやせ過ぎは体に良く無いことは明白です。
やせ過ぎの子は、食事の量が少ない場合と、食事の量をある程度摂っているのに体重が増えない場合に分けられます。前者の場合は一種の摂食障害の可能性もありますので、以下のコラムを参考にしてみて下さい。
子供の摂食障害
問題は食事を普通に摂っているのに太れないケースです。ある意味こちらの方が理由が分かりにくいため、不安になるケースも多いでしょう。同じ兄弟で、食事の量はほとんど変わらない、もしくは多いぐらいなのに、一方の子は太り気味で、片方はやせ気味と言う極端なケースさえ存在します。こういった現象は体質的な要因が原因であることを示唆しており、大きくなるにつれて解消していく場合もありますが、早めの対応が出来れば安心です。
食事を摂っても太れない理由は胃腸の消化吸収機能が弱いからに他ならず、言わば食べても身にならない状態です。これはもちろん良い状態とは言えず、中医学で云う「気血」の不足につながっていきます。具体的には疲労、体力不足、集中力の欠如、下痢などの症状を発生させます。
対策としては、胃腸機能の強化を図るべきです。子供はもともと胃腸機能(中医学で云う脾)が未発達とされます。しかし、脾が弱いと体の維持に支障をきたしますので、漢方薬を用いて出来る限りの対応をすべきでしょう。
具体的には「オウギ建中湯(おうぎけんちゅうとう)」や「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」「健脾散(けんぴさん)」などが脾の強化のために検討されるお薬となってくるでしょう。
また「晶三仙(しょうさんせん)」という消化を助ける漢方も併せると、当面の間における食事の消化吸収をスムーズにさせますので、脾の負担が減り、強化も早く進むと考えます。
しかし体質改善は根気良くが大切です。これらの漢方薬はやや長い目で見て結果を考えると良いでしょう。
そしてストレスが関与していることも多いため、子供にストレスが無いかどうかのチェックや、ストレスを発散できる環境を出来る限り整えるようにしていきましょう。
やせ過ぎについては本人が気付いていない場合もあり、両親がしっかりと状況を把握していなければなりません。女の子の場合は後々の生理の不安定さにつながる可能性もあります。当面大きな問題が無いからいいやではなく、特に上記に挙げた症状があるケースはぜひとも漢方で対策を取ってみましょう。