子供の生活スタイルと漢方.jpg子供の生活スタイルについては各家庭で様々だと思いますが、そういった生活習慣が体作りに大きく影響していることは間違いありません。よく家族での遺伝と言われますが、私は遺伝子的な問題よりも、親子で育った環境や食生活が似ているから体質も遺伝するように見えるのではないかと考えています。
どういった環境が子供の成長に良いのか、明確な指標はありませんし、試験的に比較することはまず不可能とも言ってよいでしょう。そうなると両親やその家庭の考え方次第になってしまいますが、「思い込み」とは怖いものです。子供のためを思えば、いろいろな人の意見を聞きながら、自分の考えも取り入れて生活環境を整えたいですね。
ということで今回は私が感じる「これは子供の生活スタイルとしてどうだろう?」という部分を取り上げてみました。漢方とは直接関係が無いことも多いですが、どうぞご参考になさってください。
★お風呂は毎日入り、キレイに身体を洗うべき?
以前にも何度が触れたことがありますが、子供は基本的に暑がりです。熱いお湯に長時間入る必要はありません。お風呂が嫌いな子供が多いのはそのためだと思います。
夏場で汗をひどくかいている時期はともかく、冬場は1~2日おきでも何ら問題ないと感じます。また子供の敏感肌のことを考えるとボディーソープでゴシゴシ洗うことは避けましょう。
★朝は早起きをして、朝食をしっかり食べさせるべき?
最近の子供は忙しいですね。どうしても夜寝るのが遅くなってしまいます。そういう子供を無理に早起きさせても身体に負担となるばかりです。もちろん早寝が出来て、自然に早く起きることが一番ですが、どうしても難しい場合は朝は出来る限り寝かせてあげた方が良いと思います。
また起きてすぐに慌ただしく朝食をかきこんでも胃腸が悲鳴をあげてしまいます。食欲があるなら食べさせるべきですが、無理にたくさんの量を与えなければならない必然性はないと感じます。
★調子が悪い場合にはすぐに病院に行かせるべき?
この頃は子供の医療費が無料の地域も増えました。そのためかどうか分かりませんが、最近の子供はすぐに病院の受診をすることが多いように感じます。「素人判断は出来ない」という慎重派の考え方も分かりますが、病気は基本的には自分の力で治すものです。具合が悪いのは体を休めた方が良いという身体からの信号であることを理解し、毎日自分の子供を見ている親の感覚を信じましょう。
「これは様子がおかしい」「子供があまりにも苦しそう」という時に病院に行けば十分だと思います。それまでは漢方で対処することをお勧めします。
★冷えないように厚着をして、寝る時も電気毛布を使ったり、布団をしっかりかぶせるべき?
前述したようにほとんどの子供は暑がりです。「女の子は冷やさない方がいい」という意見もあるかもしれませんが、少なくとも10歳ぐらいまでは薄着で過ごした方が良いと感じます。
また寝る時も電気毛布はもとより、大人より少なめの布団や毛布の方が良いでしょう。寝汗により逆に身体が冷えることさえ考えられます。
★トイレは毎日朝行かせる習慣を身につけさせるべき?
一般的には朝起きてご飯を食べて、ウンチを出して、というリズムが良いとされています。これが自然に出来れば言うことはありませんが、ウンチが出ないのにトイレで踏ん張ることを求めるまでの必要性は感じません。
排泄は自然にもよおした時に行くのが自然です。
★しつけはとことん行うべき?
最近はしつけが出来ていない親が多いという意見もありますが、厳しいしつけは子供の成長を妨げるように感じます。今の子供は自由な時間が少なく、外で遊ぶのにも制限があり、ストレスでいっぱいです。昔は厳しくしつけをしても、遊びで発散できたのかもしれません。しかし今では厳しいしつけは子供の心を塞いでしまう可能性が高いように思います。
とはいっても「これはしつけが甘いなあ」と感じる子供も少なくありません。しつけが子供にとって必要であることは間違いないので、時には気持ちを発散させる時間を作り、時には我慢させてと、バランスを取っていくことが大事と感じます。