子供の手足口病.jpg私の子供も感染したことがある(病院で診断された訳ではありませんが…)手足口病。数年前には大流行した疾患です。夏に流行することが多い、ウイルスを原因とする病気です。
しかし原因となるウイルスの種類はエンテロウイルスとコクサッキーウイルスの2種類とされており、インフルエンザなど原因が特定される疾患とは異なります。手や足、口に水庖性の発疹を起こすという点から名前が付けられていることは明確であり、覚えやすいですよね。
子供に多い病気ですが、これは感染経験による免疫の有無が関係していると考えられます。しかし前述のとおり、手足口病を起こすウイルスは2種類あり、さらに亜型もあることから、子供も何度もかかりますし、大人にもうつる可能性は考えられます。
一方で免疫力の問題と思われますが、感染しても発病しないケースもあります。幼稚園等で集団発生しても発症しない子がいますが、この場合においても感染している可能性が高く、ウイルスも排泄をしています。
ウイルスは糞便中に2から4週間排泄されるとされますので、症状が収まっても注意する必要はありそうです。しかしながら、手足口病は基本的に数日で治る病気であり、症状も軽症の場合がほとんどです。熱が出るケースも3割ほどとされます。あまり怖がらずに、大人へのステップの一つと考えた方がよいでしょう。
とはいえ、私の子供が感染した時は、食欲がなくなっておかしいと感じたら、口の中がただれていました。しばらくは「痛い痛い」とご飯が食べれませんでしたので、少しかわいそうではありますよね。とはいえ、それも1日から2日で収まりますので、無理をさせずにゆっくり寝れば何ら問題はありません。まれに中枢系の髄膜炎などの疾患につながると言われていますが、その場合には高熱が出たり明らかに重症の様子が出てくるはずです。
ウイルスを防ぐ方法も、治す方法もありませんから、熱が39度以下であれば病院も行く必要はないと考えます。下手に薬で湿疹を抑えようとしても体に負担がかかるのではないでしょうか。
とはいえ、親としては多少でも症状を和らげたいと感じることでしょう。その場合には漢方薬を使ってみると良いと思います。
夏に起きる疾患でありますし、赤い発疹が主症状であるという点から考えても、基本的には漢方で云う”熱”の病気と考えて間違いありません。そして、湿疹という出たり入ったりという症状ですから”風”の邪が関与していると疑います。よって、体の”熱”を冷まし、”風”を発散させるお薬である「天津感冒片(てんしんかんぼうへん)」または同じ内容の粉薬である「涼解楽(りょうかいらく)」が第一選択薬になるでしょう。
しかしながら、これらは錠剤であったり、粉も味が苦く、子供には飲みづらいという面があります。よって、どうしても飲めない子供には「板藍茶(ばんらんちゃ)」という、生薬の「板藍根(ばんらんこん)」が入った漢方を試すと良いでしょう。「板藍根」は”熱”を冷まし、ウイルスを退治する力も持っています。「天津感冒片」よりは飲みやすいので、お勧めです。
もちろん飲めるようであれば、両方飲んだ方が効果はさらに期待できます。
とはいえ、この病気の感染は一時的にお腹や体を休めた方がいいよ、ということを伝えてくれている気がします。親の方が心配しがちですが、のんびりと構えて対処しましょう。