子供の爪かみ.jpg子供の気になる癖の一つが爪かみ。実は私の子供も最近その癖が出始めて、どう対処しようかと思っているところです。もちろん、癖ですし、大きな弊害は無いと言えばその通りですが、周りから見て気になる仕草であるとともに、ひどいと爪周辺の皮膚の感染症等にもつながりかねません。成長とともに自然に収まっていくことが多いため、あまり気にしなくてもいいのかもしれませんが、直せるものであれば直したいですよね。まれに大人でもその癖が残ってしまう場合もあり、そうなるとやはり恥ずかしい”悪癖”となります。
そもそも爪かみはおしゃぶりと似た理由で、無意識に行われていることが多いようです。寂しさを紛らすためであったり、ストレスによる不満、逆に熱中している時に起こることもあるとされます。とはいえその理由はもちろん明確ではなく、人それぞれ。全く理由もない単なる癖であるケースもあるでしょう。
最近では、苦み成分を含むクリームなりを塗ることによって治療するということもされているようですね。
単なる癖であれば効果的かもしれませんが、問題はストレスや不安、不満、寂しさがある場合。もちろん、そのストレス要因を取り除かないと根本的な解決になりません。逆に無理に爪かみを止めさせると、ストレスのはけ口が無くなり、もっとひどい癖を始めたり、体に負担がかかる可能性さえあり得ます。
しかし、子供は基本的には精神的にあまり強くないのが普通ですから、原因が分かりにくいケースもあるでしょう。スキンシップが足りない場合もあれば、逆に愛情過多をプレッシャーに感じている場合もあるのではないでしょうか。小学生ともなれば、自我が生まれ、親が思っているよりずっと自分なりにいろいろ考えているように思います。話をたくさん聞いてあげながら、子供の意見や気持ちを尊重して育てていくことが一番のような気がします。
さて、そうはいっても体質的に”気持ちが弱い”子が爪かみを止められないケースは多いと思います。爪かみだけでなく、イライラ、情緒不安定などの症状があれば、漢方的には「肝(自律神経系・精神部分が関与する臓)」の状態があまり良くないと考えられます。
ちなみに「爪」は「肝」との関係が深い部位です。それと爪かみはつながりはないのかも知れませんが…
ということで爪かみの症状は「肝」のケアを考えることによって改善がみられる可能性があります。代表的な処方としては「抑肝散(よくかんさん)」ですが、その他にも「柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」「甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)」などが使われることもあるでしょう。
また、総合的な体の発育面を考えて「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」という「肝」と「腎(生命力を担う臓))」のケアが出来るお薬を選ぶことも一考です。
まずは子供の心のケアを考えてあげながら、爪かみだけに捉われずに、全体的な体のケアを考えて漢方の服用を検討してみるといいかもしれませんね。