初潮の遅れ 生理不順.jpg最近は初潮が早まっていると言われ、現在では12歳が平均とするデータが出ているようです。インターネットで見たケースですが、小学校3年生で始まったという子もいるとのことで、「今の子は成長が早い」と言われる通りなのかもしれません。小学校3年生ではまだまだ子供ですから、ちょっとびっくりですよね。
中医学では7の倍数で女性の身体は変化すると言われます。14歳が初潮が起こる時期とされ、実際に昭和の統計資料では14歳が平均だったようです。
周りの子に生理が来るようになると、どうしても焦りが生じてしまうかもしれませんが、昔は14歳の初潮が普通だったのですから、そう考えれば15歳ぐらいまで初潮が起こらなくとも、それほど気にする必要はないように思います。とは言え、病気が隠れていることもあるので、心配であれば病院で検査してもらうとよいでしょう。
また、生理が始まってもしばらくは周期が安定しないことも多くあります。女性の生理は微妙なホルモンバランスによって成り立っていますので、すぐに教科書通りの生理とならなくとも心配はありません。医学的にも思春期の不正出血は、約3/4が無排卵性出血と言われています。要するに赤ちゃんを育てるための準備がまだしっかりと整っていないために起こる現象です。成長とともに段々と安定してくるのが生理なのです。
とはいえ、
◎初潮が16歳になっても来ない
◎一度来たけれどもそれから不定期で半年に一度来る程度
◎生理時の出血が大量
◎生理痛がひどい
というような場合には何らかの対処が必要でしょう。
病院ではピルなどのホルモン剤が処方されることが多いため、抵抗を感じる方もいるのではないでしょうか。中医学は婦人科系には強い部分もあるため、ぜひそのような場合には漢方を検討してみて下さい。
初潮が来ない場合に中医学で考えられる一番の要因は「腎」の力が弱いこととされます。「腎」は生殖力や生命力と関係した「臓」であり、その「腎」が弱いと成長の遅れが伴うと考えます。「腎」は先天的な要素が大きいのですが、その「腎」を補っていくことは初潮を促すことばかりか、体の成長を助けることにもつながると考えます。
具体的には「六味地黄丸(ろくみじおうがん)」や「参馬補腎丸(じんばほじんがん)」「参茸補血丸(さんじょうほけつがん)」などの漢方薬が候補として挙げられます。
また生理には「血」の充実も必要です。質の良い「血」が体に充実することが生理を起こし、順調で安定した生理周期を作り出します。よって「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」のような「血」を補うお薬も良いと考えます。
しかしながら、この時期はいわゆる思春期ですから、ストレスがかかりやすかったり、無理なダイエットをしてしまったりと体質的な問題にプラスされる要因が絡んでいるケースも多く見受けられます。また、もともと胃腸系が弱くてやせ形だったり、病気をして体が消耗しているような場合もあるでしょう。
このような場合には必ずしも上記に挙げた漢方薬が当てはまりませんので、漢方的な診立てが重要となります。
生理の問題は非常にデリケート。周りにもなかなか相談できない部分もあると思いますが、ある程度の振れ幅は”個性”でもあります。考え過ぎてしまうことがかえって生理を乱してしまうので、ぜひリラックスを忘れずに過ごしてみて下さいね。