多動の漢方.jpg子供を持つ親に心配はつきもの。「うちの子は周りのことは違う…」と不安になる気持ちはよく分かります。誰でも最初の子供は初めての子育てであり、”普通”を追い求めてしまいます。しかし、1万人の子供がいたら、1万の個性があり、1万通りの子育てがあって当然。育児書通りの子供の方が珍しいはずです。
いわゆる手がかかる子供もいれば、おとなしくとてもいい子の子供もいます。”いい子”を望んでしまうのは当たり前ですが、その子は本能のまま行動しているだけですから、特に3歳ぐらいまでは怒ってしまうのはよくないと思います。
しかしながら現実問題として、他の子に比べて明らかに、落ち着かずに動き回ることが多い、泣き叫んだり感情の起伏が激しいとお父さんお母さんは疲弊してしまいます。そのような子供もいると受け入れてくれる社会であればよいのですが、なかなかそうはいかずに困り果てている方も多いことでしょう。
そうなると「多動ではないか」と心配してしまう親御さんも多いと思いますが、多動にも程度がありますし、病院などで診断を受けても、結局は様子を見ていくしかないことがほとんどです。そして様子を見ていく余裕があるお父さん、お母さんであればよいのですが、家庭や仕事で一杯一杯である場合には、漢方薬を試す価値はあると思います。お子様が少しでも落ち着く可能性は十分にありますよ。
さて多動については以前コラムに漢方的な考え方を書きましたので、詳しくはこちらをお読みください。
多動性障害
このコラムにもいくつか漢方薬を挙げていますが、粒が飲めるようであれば「天王補心丹(てんのうほしんたん)」や「星火牛黄清心丸(せいかごおうせいしんがん)」なども候補となりますし、「抑肝散(よくかんさん)」「柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」などが合う子もいます。
一言で言えば、ブレーキ役が上手く動き出せば、多動は収まっていくと考えます。
しかしそのブレーキ役を上手く動かすための方法は何種類か考えられます。その子の体質に依りますしケースバイケースであるため、漢方薬局の専門家に直接聞いてみるとよいでしょう。
いずれにしても、多動傾向にある子も成長とともに落ち着いていくことが多いということを頭に入れつつ、我慢ばかりせず、漢方薬という手段もあることをぜひ覚えておいてくださいね。