低血圧.jpg意外に多いと思われる子供の低血圧。子供は高血圧の心配がほとんどないために、そもそも血圧を測る機会がありません。病院においても外傷などで出血があった時に測るか、起立性調節障害が疑われる時など、限られた時に測定する程度ではないでしょうか。
ちなみによく見かける機械の血圧測定器も、子供の腕の細さに対応していません。よって、私もそうですが自分の子供の血圧を知らない両親が大半だと思います。
ちなみに朝起きられないからといって、必ずしも低血圧であるとは限りませんが、立ちくらみを起こしやすかったり、基本的に元気がない、顔色が悪いと云うような症状がある子供は血圧が低い可能性は高いのではないでしょうか。しかしこれらは、すぐに命につながる症状ではなく、「ちょっと体調が悪い」という程度で片づけられてしまうことが多いため、病院でもあまり問題視しないことが多いかもしれません。しかし子供たちには辛いことであり、やはり対処が必要です。昇圧作用のある薬で一時的に血圧を上げることも一考ですが、根本的な解決を考えたいところです。
漢方的な低血圧の対処方法は、起立性調節障害と似た形になりますが、「気」を高めるとともに、「血」も増やしていくことが出来るといいでしょう。ただし、「気血」が足りない理由の多くは、「脾」すなわち消化器系統が弱いことにあります。よって、単純に「気血」を補う「十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)」などの漢方薬を使うのではなく、「脾」を強化するお薬が必要と考えます。
やはりまず考えたいお薬が「補中丸(ほちゅうがん)」で、「心脾顆粒(しんぴかりゅう)」も候補となるでしょう。これらは「脾」の機能を高めながら、「気血」を補う作用を持つ漢方薬です。
そして、生活面では胃腸を労わり、お菓子やジュース、冷たいヨーグルトや牛乳は避ける方が無難です。消化のよい赤味を中心のお肉をしっかり摂って、パワーをつけることが必要です。とはいえ無理に食べることは禁物で、お腹の機能の成長とともに徐々に食事量を増やしていくと良いのではないでしょうか。
またストレスを避けて、リラックスして日々を過ごし、特に食事はゆっくりと楽しく食べるといいと思いますよ。