犬、猫の肝炎.jpg犬の肝炎は主にアデノウイルスによる感染症が原因となります。このウイルスに侵され発症すると、発熱や下痢とともに、元気がなくなるケースが多いようです。ブルーアイと呼ばれ、目が青白く変色することもこのウイルス性疾患の特徴とされます。伝染性肝炎を発症すると西洋医学的には根本的な治療方法がないため、対症療法が中心となります。ワクチンで予防が可能な病気ですから、まずは接種を忘れずに受けるようにしましょう。
一方、猫の肝炎もウイルスが原因の場合が多いとされますが、寄生虫の感染によって引き起こされているケースもあります。厄介なのはウイルス感染の場合であり、犬の肝炎と同じように対症療法中心となります。ネコ白血病(FeLV)という肝炎を引き起こす可能性のあるウイルスについてはワクチンがありますが、ネコ伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)についてはワクチンがないため予防が難しい状況です。
感染し発症すると、犬と同じように、発熱、下痢、食欲減退、元気がなくなるなどの症状を呈します。
犬でも猫でも肝炎から肝硬変に移行すると、より状況は深刻となり、治療が難しくなります。肝炎は悪化するまで症状が出にくいため、発見が遅れがちな病気の一つです。
さてペットが肝炎になってしまった場合、漢方ではどのように対処していくべきでしょうか。まずウイルス感染が疑われる場合には、「抗ウイルス」活性を持つとされる「板藍根(ばんらんこん)」の使用を考えます。
さらに、食欲不振が強い場合には「補中益気丸(ほちゅうえっきがん)」などの服用を検討していきます。最終的には”免疫力”を高めて治すしか方法はなく、そのためにも食欲の回復はキーポイントとなってきます。また場合によっては「小柴胡湯(しょうさいことう)」など中医学でいう「肝」に対して効果を持つとされるお薬を選択する場合もあるでしょう。
ただしその体質や症状による見極めが大切であるため、漢方に詳しい専門家に一度は相談することをお勧めします。