難聴 犬.jpg動物にとって五感は非常に大切です。その中で”耳”は、危険をすばやく察知するために必要な器官となります。しかし先天的に難聴の犬は多く、また年齢と共に聴こえにくくなったり、大きなストレスなどで耳が遠くなる子もいます。このような場合には生活に普遍的にストレスを伴うことになってしまい、極度にビクビクしたり、逆に意味も無く吠えたり落ち着きがなくなったりするケースも見受けられます。
そもそも耳という器官に関しては、その構造自体は具体的に分かっているものの、機能異常が見つかった場合の対処法は全くと言って良いほど存在しません。犬にも補聴器があるそうですが、余計な音を拾ってしまって逆にストレスになったり、物理的に耳に物が入ることを嫌がったりすることもあるのではないでしょうか。
完全に聴こえない状態を回復することは確かに難しいですし、また先天的な難聴も改善は簡単ではありませんが、ほとんど手がない西洋医学と違って、漢方を使っての難聴対策は昔からの経験がある分、試す価値はあるのではないでしょうか。
具体的には「耳」と関係が深い、五臓の一つ”腎”対策を行います。この”腎”は生命力と関係がある臓とされ、老化現象などと関連があるとされます。この”腎”を長い目で見てコツコツとケアをすることによって、少しずつ耳の状態をアップさせることも出来ると考えられます。
また、ストレスとの関係が示唆される難聴に関しては”肝”対策を行うことによって対処します。この”肝”は自律神経と関係がある”臓”とされます。よって、この働きに影響を与えるような過度のストレスがかかった場合や、継続的にストレスを受け続けた場合には、その機能の失調が起こってしまい難聴につながることが考えられます。よって、この”肝”をケアすることで耳の機能が回復し、聴力が少しずつ戻る可能性があります。
具体的には「六味地黄丸(ろくみじおうがん)」や「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」などを使っていくケースが多いと思いますが、難聴の漢方的な原因を予測し、適切な漢方薬を選択することが重要です。
特に”腎”の問題である場合には特に根気強く服用を続けることが重要ですが、難聴対策は同時に体を若々しく保つための対策ともなります。大きな視点で、漢方薬を試してみても良いと思いますよ。