犬猫の膵炎.jpg膵炎は遺伝的な問題があるのでしょうか、ウェスティやトイ・プードル、ミニチュア・シュナウザーなど、最近人気の犬種がかかりやすい病気とされます。急性膵炎の場合にはまれに命にかかわる病気となりますが、慢性的な膵炎の場合には症状が断続的に起きることが多いため、病気と気付かないこともあるでしょう。
膵臓は消化酵素やインスリンと言う糖を分解する酵素などを分泌する器官です。大きくいえば消化器系に属する臓器であり、胃腸の働きを助けると言っても良いと思います。
その膵臓に炎症が起きた状態が膵炎で、腹痛や嘔吐、下痢などが症状として現れます。基本的には食欲が落ちることがほとんどで、痛みがひどいとお腹を押さえるような姿勢をとることをあります。
膵炎は人間の場合にはストレスと関係の深い病気です。犬の場合は遺伝的な要素の他に、クッシング症候群やウイルス感染などが原因と推測されることもあります。しかし胃腸に負担をかけないようにすることが、結果的に膵臓を休ませることにつながります。食事の与えすぎや、高タンパク高脂肪の食事には十分を気をつけると良いでしょう。またストレスがかかっていないか、十分に観察することも重要です。
膵炎に対する病院での治療は鎮痛剤や抗生物質が選択されることがありますが、私はあまり賛成できません。両方とも胃腸に負担をかける薬だからです。ただし、あまりにも激しく痛がっている場合には鎮痛剤は短期的に使ってみても良いかとは思います。
また制吐剤もどうでしょうか。嘔吐は悪いものを出そうという正常な生体反応ですから、無理に止めてもかえって悪影響が出るような気がします。
よって膵炎に対して病院での治療は急性の短期にとどめ、漢方薬を使って体調の維持に努めてみてはいかがでしょう。
犬の膵炎の漢方的治療方針は、胃腸への負担を減らしつつ、炎症を鎮めるという点にあります。具体的には「晶三仙(しょうさんせん)」という消化を助けるお薬で、胃腸機能への負担を和らげます。また、「大柴胡湯(だいさいことう)」という漢方については、体をリラックスさせながら、炎症を抑えることが期待出来ます。
その他、体調など状況に応じて適するお薬は変わりますので、服用する際には必ずもよりの漢方薬局にご相談下さい。