生活養生と漢方4.jpg中国医学の根本ともいえる「五行学説」において、秋は”燥”の季節とされています。確かに秋になると、夏の蒸し蒸しした空気から、湿度の低い爽やかな空気に入れ替わります。ともすれば気持ちのいい日和なのですが、大気に存在する”燥”が体に悪さをすると厄介です。
“燥”は”乾燥”の”燥”であり、中国医学では自然界に”燥”の邪気(悪さをする物資)が存在すると考えます。もちろん四季を通して”燥”の邪気は存在しますが、特に影響の強い季節が秋なのです。”燥”の邪気が体に侵入してしまうと、口が乾燥して皮膚がカサカサしてきます。またお通じも硬くなることがあります。簡単にいえば体が乾燥した状態になりますから、乾燥肌となり、気管支炎などに罹りやすくなるのです。元からこのような体質がある方は要警戒の季節となるわけですね。
特に注意すべきは「咳」です。秋はまた「肺」の季節でもあり、呼吸器系等に疾患が生じやすくなるのです。
例えば風邪を引いた時に不用心に過ごしてしまうと咳が残りやすくなります。喉の弱い方はくれぐれも注意して過ごして下さい。なお身体に潤いを与える秋が旬の食材として、梨やビワがあります。積極的に摂るように心掛けて下さいね。