生活養生と漢方5.jpg中医学で体質を判断する時に、最も重要視するポイントが”寒熱”です。簡単にいえば、身体に熱があるか、冷えているかを見極めます。もちろん本当は様々な難しい基準から判断していくのですが、最初は単純に「暑がり」「寒がり」で考えてもいいかもしれません。
そして「暑がり」体質の方には体を冷ますとされるお薬を、「寒がり」体質の方には体を温めるお薬を適用する方法が基本となります。
この考え方を食卓に取り入れると「食養生」に変わります。”薬膳”にも結びついていく基本の考え方になりますので、ぜひ皆さん覚えておいて下さい。”薬膳料理”は簡単でありませんが、”寒熱”のみを考えて日頃の食事を意識するだけで体質改善にきっと効果がありますよ。
さて、その重要な食材の寒熱の分類ですが、実は完全に統一された教科書がある訳ではありません。考え方の違いにより、書籍などでも異なる見解が載っている場合があります。考え過ぎると分からなくなってしまうので、最初は「強く温めるもの」と「強く冷やすもの」だけを意識すれば良いかも知れません。そういった偏りが強い食材は、見解が大きく異なることはありませんので安心です。
なお「温める」「冷やす」は皆さんの感覚で考えて頂いても構いません。例えば「とうがらし」を食べて体が温かくなった経験は、どなたにでもあると思います。ですから暑がりの方は「とうがらし」を控え、冷えがある方は時々食べてみるのです(食べ過ぎはいけないのですが…)。これだけで立派な養生となるのです。
それでは数品目具体例を挙げてみましょう。
☆身体を温める…ショウガ、羊肉、ニンニク、シナモン、お酒など
☆身体を冷ます…柿、キュウリ、スイカ、トウガン、緑茶など
ただし、いくら寒熱を考えて食材を選んでも、ずっと同じ物を食べていては害になることもあります。バランス良く食べること、”平性”と呼ばれる、どちらにも偏らない性質の食べ物を上手く摂ることが大事となります。
では皆さん、ぜひ”プチ食養生”にチャレンジしてみて下さいね!