睡眠と漢方.jpg睡眠は”健康な体”のために非常に重要です。「私は1日3時間の睡眠で大丈夫」という方もたまにいらっしゃいますが、それは特別。一般的には7時間前後の睡眠が体の維持には必要です。
中医学において、睡眠は「陰」と「気」を滋養する大切な時間であると考えます。「陰」は体を構成する大切な物質です。そして、その「陰」を”1日”という単位で考える時、ピークに達する時間帯は22時から2時となります。すなわち体内の”陰”を滋養するためには、”陰”の時間帯である夜中の0時前後に睡眠をとる必要があるのです。ですから例えば同じ4時間睡眠であったとしても22時から2時に睡眠を取った場合と、2時から6時まで取った場合では、体に与える影響は異なり、前者の方が良い睡眠の取り方と言えます。
次に季節で考えます。
は陽気が盛んになる季節です。この時期には早起きをして日光を浴び、自然の陽気を体に取り入れることが肝要です。逆に夜は多少遅くまで起きていても構わない時期です。「春眠暁を覚えず」と言われるように朝眠い季節ですが、早めに布団から出て陽に当たることが養生となります。
は陽気が盛んですが、汗をかきやすく”陰”を消耗しやすい時期となります。よって、朝は早起きし、夜も早く寝て陰をしっかりと滋養するべき季節です。これを怠って夜更かしをしていると「夏バテ」の原因となるのです。
になると陽気が衰えてきます。この時期になると早起きは必要なくなり、夜もややゆっくりと過ごして良いでしょう。秋は「不眠」になりやすい時期とされますが、睡眠の時間帯については、あまり難しく考えなくて良い季節です。
は蓄えの時期です。夜は早く寝て”陰”をしっかりと養い、朝は出来るだけゆっくりと起きる必要があります。もっとも睡眠の大切な季節と言えるでしょう。
このように季節ごとに睡眠の養生法も変わります。規則正しい生活も良いですが、季節に合わせて睡眠のとり方を変えると、理にかなった方法で体を癒すことが出来るでしょう。