ストレスに負けない体づくり.jpgストレスと病気は切っても切れない関係にあります。”病は気から”という言葉があるように、ストレスによって病気にかかることは実際に多いものです。ストレスがなければ病人の数はかなり減ることでしょう。
しかし、ストレスは人間が生活していく上で必ず発生します。ストレスから逃げることばかりを考えずに、ストレスと上手く付き合っていくことが重要です。
さて、ストレスに弱い人と強い人がいることは皆さん実感されているところだと思いますが、この違いはどこからくるのでしょうか。中医学では、「血」が不足すると精神症状が不安定になるという考え方があります。また「気」すなわちエネルギーが不足した状態でも同様です。これらはいわゆる体に余裕が無い状態であり、ストレスに対して体が抵抗できずに簡単に病気になってしまいます。
結果的に「心神不安」や「気滞」といった病態になるとされ、不眠、不安感、そう鬱、お腹や胸の張りなど様々な症状を引き起こします。さらにこの状態が続くと、血行不良ともなりますし、大きな病気へとつながる可能性もあるでしょう。
そこで漢方薬を使ってストレスに負けない体づくりをすることをお勧めしますが、その場合、その方の体が現在どの段階であるかを見極めることが重要です。「心神不安」が強いようであれば「牛黄清心丸(ごおうせいしんがん)」や「天王補心丹(てんのうほしんたん)」などを使いますし、「気滞」であれば「星火逍遥丸(せいかしょうようがん)」が選択される場合が多いでしょう。
また、まだ症状が強く出ていない段階であれば「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」や「帰脾錠(きひじょう)」などによって、体質強化を重点的に考えます。
このようにして少しずつ体に余裕ができれば、自然とストレスに強い体になっていくと思います。
「自分は気持ちが弱くダメな人間だ」などと考えてしまう方が多いのですが、それは身体に余裕がないから生じている”致し方ない状態”であり、体が整えばきっと精神的にも強くなれます。
また、それぞれの体質によって養生法もあります。一般的には
★酢のものや梅干しなど酸っぱいもの
★春菊、ミント、シソなど香りのよいもの
★レバー、ほうれん草など”血”を補うもの
などを積極的に食べるようにしましょう。
さらには、自分の趣味や好きな音楽、半身浴などでリフレッシュするように心掛けると良いですね。
なおストレスが全くない状態であると、かえって病気になるという報告もあります。ストレスを楽しめる境地になれば、それが一番ですね。