運動と漢方.jpg現代人の病気を作り出している原因のもっとも大きい要因は「ストレス」と思いますが、もう一つ重要な因子として「運動不足」があります。車が発達して便利になったのは良いのですが、人は歩かなくなりました。楽をし、生活を豊かにするために発達した文明なのに、身体を壊す原因となっては元も子もありませんよね。
しかし「運動不足」が原因で体の不調が起こっていることを自覚している方は多いようです。現在の私たちの生活は、体を動かさなくてもいい仕組みが出来上がっているため、悪いとは分かっていて体を動かす機会がなかなかないのでしょう。
とはいえ、人間の体は動かすことを前提に作られています。運動不足は、中医学で云う「お血」、すなわち血行不良に結びつくと考えます。特に「肩こりがつらい」「皮膚の色が暗い」「生理痛が強く、塊が多い」というような方は積極的に運動することを考えましょう。
ただし、「気=エネルギー」が不足した方は、無理な運動が体調を悪化させることもあります。また「津液=体の水分」が不足した体質の方が運動で汗をかくことを続けると、ほてりなどの症状が出てきます。よって、体質によってはハードな運動を避けるべきなのです。この点を理解して、自分にあった運動を行いましょう。
さて運動が苦手な方にまずおススメしたいのが「ストレッチ」です。最初はテレビを見ながらでも構いませんから、体を動かしてみましょう。そして「散歩」。時間がある方には特におススメです。気分転換にもなりますので、「気の巡り」を改善することにもつながります。
もう一つ上のランクは「ハイキング」や「水泳」。この辺りは手軽に行うことは難しいかも知れませんが、定期的に行えば体質改善に役立つでしょう。
そして大切なのが、日頃からの心がけ。ちょっとした距離は車やバス、電車を使わずに歩く。街ではエスカレーターやエレベーターは使わずに階段を使う。このような気持ちと積み重ねが重要と思います。
いずれにせよ、運動は楽しんで行うことが大切です。イヤイヤでスポーツジムに通っている方を見かけますが、これでは長続きしませんし体質改善にはつながりません。球技などのスポーツは人数などのことがあり、なかなか継続が難しいのですが、試合などを行うとやはり楽しいものです。ぜひ積極的に運動を行って、病気の予防に役立てて下さい。