ごはんと漢方.jpg私はごはんが大好きです。「一番好きな食べ物は?」と聞かれたら「ごはん!」と迷わず答えます。飲み会の席でも、いつもご飯を最初に頼みます。びっくりされますが、ビールを飲みながらでも、おかずとご飯を一緒に食べないと気が済みません。
さて私の事はさておき、「米」について勉強してみましょう。「米」は言わずと知れた日本人の主食です。漢方の考え方で「米」は、味は「甘」で、性質は「平」とされます。「平」とは体を温めるでもなく、冷ますでもなくどちらの性質にも傾いていない食材という意味です。食事として毎日摂るものは基本的に性質の偏りがない方が良いとされていますので、「平」である「米」は長期的に摂取する食材として申し分ありません。
また「甘」の味がある食べ物は体をよく補います。特に「米」は体全体を補うと定義されており、その点でも優れた食材と言えるでしょう。また「米」は胃腸に優しい性質があり、お腹が弱く、下痢しやすい体質の方に食養生として使うこともあるぐらいです。食欲も元気もないという方には、食事としてまずごはんをお勧めします。
このように優れた特質を持つごはんですが、最近は消費が減っているとされます。確かに時間のない朝などは、パンの方が手軽に食べることができて良い面もあるでしょう。また、女性のダイエットに大敵とか糖尿病にも良くないとされています。
しかしお肉などは、短期的に「気」を高める作用を持つのに対し、ごはんは「気」を穏やかに高めていく力を持ちます。よって、人間活動を行うために大切な「気」を体に植え付けると言う意味でも重要なのです。それと、「米」は太るという考えはあまり正しくないように思います。適切に食べれば、消化も良く、体に残ることはありませんし、おかずの量も抑えられます。なにせこれだけごはんを食べている私が太らないのですから…
そして何より「米」は昔から日本人が食べていた食材であり、私たちの体に必要不可欠なものとして体に組み込まれているようにも感じます。日本人であれば、ごはんをしっかりと食べることが、一番の養生になるのではないでしょうか。毎食とは言いませんが、一日二回はごはんをしっかり食べて丈夫な体を作りましょうね。