湿邪と漢方.jpg雨の季節、”梅雨”。雨が好きな方はあまりいないと思いますし、”梅雨”が好きという方も珍しいのではないでしょうか。ただ嫌いな理由が、単純に「雨が多いと外に出かける時に億劫だし、濡れるから」ということであればまあ良いのですが、「梅雨は体調が悪くなるから嫌い」という場合には少し問題があります。
「梅雨」の時期には中医学で云う”湿邪(しつじゃ)”が増えます。この”湿邪”に影響を受けやすい方は、梅雨時に体調が悪化することが多くなります。それを「梅雨だから致し方がない」と考えるのではなく、”湿邪”の影響を受けにくい体質作りを目指して、何らかの対策を取るべきでしょう。そのような心がけが大病を防ぐことになったり、持病の悪化を抑えることにつながります。
“湿邪”の影響を受けると、
★体が重だるくなる
★軟便、下痢傾向となる
★むくみが生じる
★湿疹が出る
余分な水が体に悪さを与えるために、上記のような症状を呈します。また、腰痛、頭痛、関節痛などがもともと持病としてある方は、「湿邪」が体に入ると痛みが起こりやすくなります。なお水虫も”湿邪”の影響と考える場合もあります。
では、この「湿邪」から身を守るにはどのようにしたら良いでしょうか。まず冷たい飲み物をたくさん飲むことを控えること。アイスクリームなども良くありません。かといって水分を控えるという意味ではなく、胃腸を労わるためにも、温かい飲料で喉を潤すことが重要なのです。
また食材としては、インゲンマメや、キュウリ、バナナ、ハトムギなどがおススメです。さらにはシソも胃腸をさっぱりさせるために用いられます。一方、飲み物としては、緑茶が”湿”を取るために優れています。
生活面では適度に汗をかくこと。汗をかくことで、不要な水分が体に残ることを防ぐことが出来ます。場合によっては、お風呂をためて半身浴をしても良いかもしれませんね。
以上が一般的な養生になりますが、それでも”湿邪”が入り込んでしまった方には漢方薬をお勧めします。「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」はシソも配合されているお薬で、胃腸を中心に体をさっぱりとさせることが出来ます。また「五行草(ごぎょうそう)」は体内の余分な水を除去し、湿疹にも使われる漢方です。このようなお薬を使って「梅雨」を上手に乗り切りましょうね。