漢方養生 中国式.jpg漢方の本場、中国では食事などの養生で病気を予防するという習慣が根付いています。経済的な問題もあるでしょうが、薬は本当にいざという時に短期間だけ服用するのが一般的です。家庭には漢方の考え方が常識として浸透していて、健康維持のために役立っているように感じます。私も漢方を勉強するまでは知らなかったことばかりですが、日本人の間でもぜひ取り入れてほしい養生法がたくさんありますので、今回はその一部をご紹介したいと思います。
★風邪予防のために鍋に酢を沸かす
酢が細菌やウイルスを死滅させる作用があることは昔から知られています(酸性の性質のため)。酢の蒸気を部屋の中に満たせば確かにその感染力は落ちると考えられます。においの問題などがあるかもしれませんが、手軽にできる養生の一つだと思います。
★風邪の時にお粥を食べる
これは日本でも見られる習慣ですが、漢方の教科書にも載っている養生法です。漢方薬を服用後にお粥を食べると風邪の治りが早くなると言われます。これはお粥が胃腸の働きを助けるため、体力を補うことにつながり、漢方薬の作用と相まって風邪の菌やウイルスを追い払うという考え方に基づきます。
★生ものを摂らない
生野菜を食べる習慣は中国ではありません。生ものがお腹に負担をかけて、体を冷やすことを知っているからです。冷奴も日本の特徴的な食べ物の一つで、中国では食べる直前に火を通すことが普通です。お刺身については、日本は新鮮な魚が手に入る点で中国とは状況が違うのかもしれませんが、これもお腹に重い料理の一つです。特に冬は体を冷やす生ものの摂り過ぎは要注意です。
★生理中は冷やさない、過労しない、刺激物の飲食は控え、お酒も少なく
初潮を迎えた女の子に対し、中国のお母さんは以上のことを守るように伝えるそうです。女性として美しく健康であるための秘訣として、生理中の養生があるのだと思います。この教えを守っている中国人の女性は生理痛が少ないようですよ。
生理の時は体が消耗する傾向があるため、出来るだけ体を労わり、精のつく食べ物を摂るべきです。
★冬に冷たいビールは飲まない
冬の期間に中国に旅行をして地元の飲食店に入り、冷えたビールを注文してもまず用意していません。冬に冷たい飲料を飲むことは体に悪い、と当たり前のように常識として定着しているのです。また冷たいお茶を飲む習慣もありません。お茶は温かいものであるのになぜわざわざ冷やす…という感覚です。
いかがでしょうか。日本人には日本人なりの習慣があるにしても、それが体にとって負担となるものであれば直していきたいものですよね。