みかん漢方.jpg冬といえば「こたつでみかん」をイメージする方も多いのではないでしょうか。値段もお手ごろで庶民的な感じのする果物ですよね。みかんの産地と言えば、愛媛県や和歌山県の方が有名な気がしますが、静岡県も負けてはいません。静岡育ちの私も昔からみかんはイヤと言うほど食べた記憶があります。ということで、今回は「みかん」についての漢方的な豆知識を紹介します。
まず、みかんは体を冷やすか温めるか、という問題です。私の認識では教科書や本によってまちまちですが、「やや冷やす」とする説の方が多いように感じます。しかしそれほど気にするほど寒熱に偏りがあるように私は思いません。みかんは果物で”生”ですから、やや体を冷やす可能性もありますが、冬の食べ物ですからそこまで強い力はないと考えるのが妥当ではないでしょうか。ただし、「オレンジ」は体を冷やすことは間違いないと思います。
また、味は「酸」に属します。最近は甘いミカンばかりですから、どうかとも思いますけどね。この「酸」に属すという考え方から、ミカンは「肝」の改善につながると考えます。「肝」は自律神経と関係し、ストレスによって傷みます。よってイライラしやすい、気持ちや体調の上下が激しいという方にお勧めとなります。
さて”効能”についてですが、漢方では穏やかに胃腸の機能を整える作用があるとされます。よって子供にもお勧めの果物です。
ここまでは「みかん」の”果実”についてのお話でしたが、「みかん」の”皮”は生薬として漢方薬にも使われています。その乾燥の程度により「陳皮(ちんぴ)」「橘皮(きっぴ)」「青皮(せいひ)」があり、それぞれ厳密には薬効が異なります。さらにはみかんの若い実は「枳実(きじつ)」「枳殻(きこく)」と呼ばれる生薬となります。
これらの効果は、基本的に「気」の巡りの改善、すなわちリラックス作用であり、私たちが普段食べるみかんの効能をさらに高めたもの、と考えても良いでしょう。
いろいろと述べましたが、あまり考えすぎすとその美味しさを味わいきれないような気がします。なんだかんだ言っても冬はこたつでみかんが一番ですよね。