肺と白と大根と漢方.jpg
 
「白」と「肺」、一般的には結びつきを見つけることが難しい二つの言葉ですが、中医学の五行説において、「金」のグループの中に五臓の「肺」、五色の「白」が属していると考えます。すなわち、「肺」と「白」は同じグループなのです。
ここで、五臓の「肺」は呼吸器系全般を指します。よって、呼吸系の疾患である喘息や咳などは「肺」のバランスの崩れによって生じた症状であると考えることが一般的です。
また同じグループには「皮」も属し、皮膚の病気であるアトピー性皮膚炎や湿疹など皮膚病全般も「肺」の状態と関係が深いと考えられています。
そして「白」ですが、単純に顔色が白い時には「肺」が不調であると考えます。もちろん例外もありますが、色白の方は呼吸器系の病気やアレルギー疾患に気をつけるといいと思います。
また「白」色の食材は「肺」に良いとされます。下記に挙げてみます。
★大根…白い野菜の代表です。痰を取り除き、咳を鎮めるとされています。喘息症状がある方はたくさん食べるようにするといいでしょう。皮膚病にも良い食材です。
★白キクラゲ…なかなか目にすることが少ない食材かもしれませんが、生薬として使用されるほど、しっかりとした作用を持ちます。「肺」を補う作用があるので、中長期的に考えて呼吸器系が弱い方にお勧めしたい食材です。
★白菜…名前に白がつく代表的な野菜ですね。冷やし過ぎず温め過ぎずの性質を持つため、たくさん食べても構いません。呼吸器系症状に良いでしょう。
★ユリ根…おせち料理に使うことで有名ですよね。ユリ根も生薬として使用される「肺」に良い食材です。潤す作用があるため、空咳や皮膚の乾燥がある時に向いています。
★レンコン…それほど白くは無いかもしれませんが、呼吸器系疾患やアレルギー症状がある時に使用すると良い食べ物です。
その他、ネギや梨、ギンナンなども挙げられます。アレルギー疾患や呼吸器系疾患がある方はぜひ積極的に摂ってみて下さい。
ちなみに以前触れたように、秋は「肺」の季節です。これからの時期はもっとも注意しなけらばならないため、どうぞご注意ください。