みそ汁とスープ.jpg特に寒い時期に飲みたくなる温かいスープ。心身ともに温まる感覚もありますよね。最近は美味しいスープがお湯に溶かすだけで出来上がるタイプも数多く出ています。朝食などに愛用している方も多いのではないでしょうか。
一方で日本食の代表であるみそ汁。「ご飯とみそ汁さえあれば幸せ」という話も良く聞きます。私もその一人ですが…みそ汁は日本式のスープと言っても良いでしょう。
このスープやみそ汁は以下の理由から非常に優れた料理であると私は考えています。
●様々な食材を入れることが出来るため、手軽に栄養を摂ることが出来る。
●液状である事に依り消化が良い。よって胃腸の弱い方や食欲が落ちている方には打ってつけ。病気の時はスープが一番!
●ダシに使用する昆布や煮干しなどからも適度にミネラルなどが分泌され、それを摂取することが出来る。
よって、みそ汁やスープは出来る限り食事の最初に摂りましょう。空腹状態で油が多い料理を食べてしまうより、胃腸への負担を格段に減らすことが可能です。コース料理などでは最初の方にスープが出てきますよね。また和食の懐石料理でも先付けの後にお椀物が出てくることがあります。これは身体への負担を減らすための理にかなった順番と言えそうです。
ご自宅のお食事でも最初にお味噌汁を少し頂いた後で、ご飯を食べ、その後に野菜、そしてお肉や魚を食べていくという順番が良いと思います。
さて、みそ汁にはダシが不可欠です。このダシも可能であれば自然のものから作ると良いでしょう。昆布と煮干しを夜お鍋に入れておくだけでも十分です。
一方のスープは鶏がらなどから取ることはちょっと大変かもしれません。私も詳しくないのですが、出来る限り合成調味料を使わない方が良いとは言っても無理せずに続ける方法でやってみましょう。
余談ですが、漢方薬も昔はスープ状態で服用をしていました。いわゆる煎じ薬です。
漢方の処方名には「葛根湯」など、「~湯」となっている名称が多いのですが、これらは昔は煎じ薬としてお湯状態で服用していたということを指します。よって理想で言えば、漢方薬を服用する際にエキス剤が粉状であっても、「~湯」という名称であれば、お湯に溶かしてスープにようにして飲んだ方が良いとされます。一方で「加味逍遥散」など「~散」と言われているお薬は生薬を散剤(生薬を細かくしたままの剤型)として服用していたということなので、お湯の状態にそれほどこだわらなくても良いでしょう。「~丸」という製剤も同様です。
しかしこれらの飲み方も原則的なものであり、効果に大きな違いが出る訳ではありません。知識として頭に入れておいて頂くだけで良いと思います。
なお、みそ汁にしてもスープにしても塩分が気になるという方も多いかもしれません。しかし、仮にそのようなデメリットがあったとしても上記のようなメリットが大きければ積極的に食べるべきではないでしょうか。また、美味しいダシがあれば、味噌はそれほど多くの量の必要がなくなると感じます。そして残り汁は無理をして全部飲まないようにしましょう。
みそ汁は伝統的な優れた料理です。そして現在の食生活でパンも欠かせない食材であれば、スープもぜひ積極的に摂るようにしましょう。コーヒーより身体に良いですよ!