生姜漢方.jpg以前より冷えに良いとして有名だったとはいえ、最近特に目にすることが多くなった生姜(しょうが)。火付け役は生姜茶や生姜紅茶ではないでしょうか。私はしょうが焼きが大好きなので、そのイメージばかりがありますが…
ご存知の通り、生姜は漢方薬として使われています。「しょうきょう」と呼ばれ、様々な漢方処方に含まれています。温性ですから、体を温める効果があることは間違いなく、専門的には「散寒解表(さんかんげひょう)=体表にある寒の邪を追い払う」の作用があるとされます。よって風邪の初期に生姜を含んだスープを飲むという対策もとても理にかなっています。
その他にも解毒作用や吐き気を止める効果に優れているとされ、つわりに用いられる「小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)」にも含まれている成分です。
ただこれらは生のショウガの作用。乾燥させたショウガは「乾姜(かんきょう)」と呼ばれる生薬で、漢方の世界ではしっかりと使い分けられています。
「乾姜」は大熱性があるとされますので、「生姜」よりもかなり温める効果が強いと定義されています。よって慢性的に芯から冷えているような時にのみ使用される生薬。そのため例えば妊娠中の女性、のぼせや湿疹のある方には禁忌とされ、使用には注意が必要な生薬と言われているのです。また、汗をかきやすく、疲れやすいタイプの方は、体の消耗につながる可能性もあります。
商品として販売されている生姜茶や生姜紅茶がどのような原料を使っているか定かではありませんが、上記理由より飲み過ぎには十分に注意したいところですね。個人的には、料理に少量使う分には何ら問題はないと思いますが、そればかりを摂り過ぎてしまうとバランスを崩す可能性があるようにも感じます。
表題は「生姜は是か非か」と書きましたが、”使いよう”で是にも非にもなると言えましょう。少なくとも冷えを感じる方に誰にでも良いという訳ではありませんし、生姜だけですべてが解決できるということはありえません。しかし、ワンポイントで生姜を使うと症状が劇的によくなるということもありえます。生姜は値段もそれほど高くない、素晴らしい食材でもありますから、上手に活用が出来るといいですね。