花を食べる漢方.jpg春は花が咲き乱れ、とてもきれいですよね。この時期に花をめでることは、自然に触れ合うと良いとする漢方の養生につながり、精神的にもお勧めです。
その見てきれいな花ですが、これを食べるというのは抵抗がある方が多いかもしれません。確かにパサパサしていそうですし、お腹の足しにもならないように思えますし、そもそもあまり美味そうには感じられませんね。しかし食用花という言葉があるように、花も食べることが出来る種類はたくさんあります。ブロッコリーもカリフラワーも花のつぼみですよね。
そして漢方でも生薬として、花を使うことがあります。この場合は、基本的に食べるのではなく、煎じて用います。
花の生薬として、まず最初に思い浮かべるのが、菊花。お刺身などに載っていることもありますので、日本でもおなじみですよね。菊花は漢方の世界では”熱”を冷ますとされ、頭痛や喉痛、目の赤みなどに用いられます。特に目への作用を期待して用いられることが多く、当店も菊花エキスが入っている商品「香菊花(しゃんきくか)」を扱っています。なお、生薬として使われる菊花は、品種が限られており、普通の菊の花では薬効はあまり期待できません。
個人的に次に思い浮かぶ花の生薬がマイカイカ。バラ科の花のつぼみですが、とてもいい香りがします。このマイカイカは、胃腸の気の流れが悪い時、すなわちお腹が張って、ゲップやガスが多く、食欲があまりない時などに用いられます。また血行を良くする作用もあります。
そして紅花(こうか)。ベニバナですね。真っ赤な細長い花ですが、血行を良くする作用が知られます。血液サラサラで有名な漢方薬、「冠元顆粒」にも含まれている生薬です。
その他、金銀花辛夷槐花なども花のつぼみですが、色が鮮やかでなく、見た目があまり花という感じがしません。ちなみに金銀花は”熱”を冷ますために風邪の時などに、辛夷は鼻の通りを良くし、槐花は痔に使う生薬です。
花の生薬は香り成分に依るのでしょうか、一般的に流れを良くする作用があると考えられます。これは食用花全般にも当てはまると考えられます。中国で古くからあった食べ物ではないため、ブロッコリーなども定義はありませんが、「気」の巡りを良くする効果が多少はありそうです。日頃からストレスを感じている方、精神的・肉体的に不安的な方は、「気」の流れが滞っている可能性が大。花を食べてみてもいいかもしれませんよ。