朝は1日の始まり。太陽がどんどんと昇っていくように、人間の身体も時間と共に活動の力を増していきます。その活動のエネルギーとなる朝食は、もちろんとても大事。朝食でエネルギー補給することにより、太陽のように上へ上へと気持ちも体の状態も上がっていくことが出来ます。
逆に朝食を食べることが出来なければ、1日の立ち上がりが悪くなり、夕方ぐらいに元気になり始めて夜寝にくくなるなど悪循環になりがちです。
「朝食をしっかりと摂りましょう」という話は小学生の頃から教えられますが、それでも朝の忙しい時間、分かってはいてもなかなか思い通りにはなりませんね。では、どのように朝食を摂るべきでしょうか。漢方の世界で言われている養生をふまえて私なりのポイントをいくつか挙げてみます。
★まず白湯を一杯
起きた後すぐにコップ一杯の水という話もありますが、冷たい水はお勧めできません。とにかく朝は温めること。夏も同様です。白湯をゆっくりと飲みほすことが出来れば一番です。お茶よりも白湯がいいですが、味気ないという方はほうじ茶がおススメです。
★パンよりもごはん、そしてお粥が一番
日本人の朝食といえば、やはりご飯に味噌汁。このスタイルがいつの時代から始まったか分かりませんが、伝統的に食べられていたこの形式が遺伝子に反映され、今の日本人の身体を作り出しているようにさえ感じます。やはり日本人にぴったりの朝食と言えるのではないでしょうか。納豆、焼き魚、卵料理などを1品加えて、味噌汁を具だくさんにすれば栄養面でも問題ないように思います。
ちなみにパンは小麦由来で、若干ですが体を冷やす可能性があり、冷たいヨーグルトや牛乳と一緒であればなおさら。体の陽気を高めたい朝の食事は、温める性質の方が良いとされます。ちなみにご飯は平性です。
そして中国での朝食と言えばお粥。まだお腹も完全には目覚めていない状況では、柔らかく消化の良いお粥が良いのです。特に、お腹が弱い方、朝は食欲が出ない方はぜひお粥を食べるようにしてみて下さい。
★スープ類が優しく温まる
スープは味噌汁と同様、お腹を温めて負担が少ない食べ物です。お粥がちょっとという方は、スープに野菜やお豆などをたっぷり入れて摂ってみてはどうでしょうか。ただしお味噌汁と同様に塩分の摂り過ぎには気をつけましょう。
★辛いもの、生もの、硬いものは控えましょう
朝からガッツリという方は少ないと思いますが、生野菜サラダを食べる方はいらっしゃるかもしれません。しかし消化が良くない生ものは胃腸に負担がかかりますし、冷やす性質があり、注意が必要とされます。バナナなど果物も同様です。
ちなみにどうしても食欲がわかないという方は、あまり無理に朝食を食べることを私はお勧めしません。漢方薬の使用も考えながら、まずは胃腸のパワーアップを図りましょう。