性生活は決して恥ずかしいものではなく、生物にとって普通の行為です。言うまでもなく人類が存続するためには性生活は無くてはなりません。また男性と女性が愛し合って、自然に行われる性行為は決してけがらわしいものではなく、逆に純粋なものであると感じます。もちろん様々な愛の形が存在するため、男性と女性の組み合わせ以外や性生活ではない愛し方を否定するわけではありませんが、大きな自然の摂理からは、男性と女性の性生活が一般的であると言えると思います。

そして性欲も人間の生理現象の一つ。これもプライベートである意識が強いですが、自慰行為も普通の性生活の一つであると言えるでしょう。

中医学では男性は8の倍数で変化するとされ、16歳で「腎精」が満たされて出始めると考え、いわゆる精通となります。また女性は7の倍数で変化し、14歳で「腎精」が満たされて生理が始まり、妊娠も可能となっていくと考えます。
ここで云う「腎精」とは、生命力・生殖力を担う、人間の根本的な力のようなものです。これが衰え始めるとされるのは男性56歳、女性は49歳。もちろん個人差はありますが、その間の期間は性欲があり、性生活を望むことが一般的である言えると思います。

しかし性生活も“適度”であることが必要と言われます。過度の性生活は先にあげた「腎精」を傷つけると考え、早くに体の衰えが進んでしまうとされるのです。専門用語で「房室過多」と呼ばれ、「腎虚」と云う体質の原因となり、老化現象が早めに起きてくる可能性が高くなります。具体的には、腰痛、更年期障害、聴力低下、目のトラブル、頻尿、健忘などが起こりやすくなると考えます。

では、適度な性生活の頻度はどの程度でしょうか?中医学の資料では具体的な回数を私は見たことがありません。アメリカの学者の資料では20代では10日間で8回、30代では20日間で7回、40代は30日間で6回という目安を示しているそうです。このデータを見ると、少なくとも1日に何回もということは慎んだ方が良いと思われます。あとは感覚を大切に、気持ちや体が望んでいないと感じれば、控えるべきでしょう。

とは言え、中国には「用進廃退」という言葉があるそうで、これは「ものは使えば使うほど良くなり、使わないと廃れる」という意味だそうです。性生活を控えすぎることはかえって良くありません。自然に沿い、しかしある程度の節度を大切に性生活を楽しみましょう。