パーキンソン病と漢方.jpgパーキンソン病は神経伝達物質であるドパミンの量が減少して引き起こされる難病です。神経の伝達が上手く出来ないために、筋肉が思うように動かず、ケイレンやふるえなどの症状が出ます。高齢になると100人に1人の割合で発症するとのデータがありますから、それほど珍しい病気ではありません。しかし日常生活に多大な影響が出るため、重度になると家事や仕事も困難となり、介護が必要となります。また痴呆が現れるケースも多いとされています。
しかしこの病気は古くから原因がはっきりとしているため、様々な良い薬(西洋薬)が存在します。完治させる薬ではありませんが、症状の緩和は期待できるでしょう。ただし副作用も多いところが難点です。よって西洋薬を少量にとどめ、進行を少しでも遅らせるために漢方薬を併用する方も多いようです。
完全な回復が難しい難病ではありますが、漢方で対処することにより様々な効果が期待できるでしょう。
漢方では他の病気と同じように、その方の体質を吟味して、例え同じパーキンソン病であろうと、違う薬をお勧めすることも良くあります。ただし、主な症状である震えやケイレンなどは、”内風”の影響であると捉え、熄風薬と呼ばれる生薬を使うことが多くなります。具体的には半夏白朮天麻湯などのお薬を使います。
また、「血虚」「お血」などが絡んでいる場合も多く見られ、「婦宝当帰膠」や「冠元顆粒」などが効果を示す場合もあります。さらにケイレン発作には「芍薬甘草湯」が有効の場合もあるでしょう。
以前私が応対したお客様も30代でこの病気となり、今までバリバリと仕事をしていたいのに、全く生活が変わってしまったと嘆いておられました。そのつらさは想像に難くありません。しかし漢方と西洋薬の併用で少し改善の兆しが見え、やる気も出てきたようでした。
いずれにせよ漢方薬を服用するのであれば専門家によるしっかりとした判断が極めて重要です。パーキンソン病は突如始まります。簡単な病気ではありませんが、あまり恐れずに、前向きに治療に取り組んでいきましょう!