結石と漢方.jpg結石は食生活や生活習慣の変化に伴い、発症が増えている病気です。出来てしまった場所にも依りますが、痛みがひどい場合が多く、救急車で運ばれるような時もあるでしょう。一度排出されても、再び形成され、症状を繰り返しやすいという特徴があります。外科的に取る方法や、最近では超音波で壊してしまう方法もあるそうですが、何度も病院のお世話になるのは大変です。主に食生活や体質に依存して発生しますので、漢方を用いて根本から”結石体質”を治していくことが肝要です。
さて一口に結石と言っても、胆のう、尿管、腎臓、膀胱、など様々な部位に出来ます。その他肝臓や膵臓などに出来る場合もあります。一番の特徴的な症状は痛みですが、全く痛くないないケースもあるようです。また胆結石の場合には、食欲不振や嘔吐などの症状を併発し、発熱したり黄疸を伴うこともあります。
漢方で結石は、基本的に”湿熱”が原因であると考えます。”湿熱”とは字のとおり、体内に存在する余分な”湿気”と”熱”であり、これが結石を生み出すと考えます。この”湿熱”を引き起こす原因は主に飲食の問題であることが多いのですが、”脾(消化器系統)”が弱かったり、”腎(水分代謝機能を持つ)”が衰えたために起こるケースも見られます。
“湿熱”を取り除くために良く使われる漢方薬が「猪苓湯(ちょれいとう)」や「瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)」であり、特に膀胱や尿路の結石には有効でしょう。また「金銭草(きんせんそう)」という生薬は、単独でも結石を取り除く効果があるとされ、中国では汎用されています。
なお高齢で体質の衰えが見られる場合には「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)を選択する場合もあります。
結石体質の改善には漢方薬と一緒に、食事の習慣を変えていくことも重要です。ウリ科の植物(キュウリやスイカ、冬瓜など)などをたくさん食べて、排泄を促しましょう。そして脂の多い食材や冷たい食べ物や飲み物(アイスクリームや清涼飲料水)は控えめしましょうね。