機能性胃腸症は機能性ディスペプシアとも呼ばれますが、何かよく分からない病名ですよね。器質性、すなわち物理的な変化が胃カメラ等によっても見つからないのに、胃痛やもたれなど不快感が症状として存在する病態を指します。
要するに、胃腸の”機能”が何かしらの不具合を生じているために起こる胃腸症ですね。
しかしながら、現代の医学では機能の失調を調べる手立てがほとんどありません。よって原因が不明な胃腸症状全般が「機能性胃腸症」と診断されるのでしょう。今まで慢性胃炎などと呼ばれていた病態です。
このように仰々しく病名が付くと心配になりますが、いわば原因のよく分からない胃もたれや胸やけであって、あまり気にし過ぎない方がいいように思います。
この広い意味での胃腸症状が日常的にある方は、日本人の10人に1人程度とも言われるそうです。そしてその中で病院を受診した方の9割程度が胃カメラで異常がなく、機能性胃腸症に当てはまるとのこと。ということは、この病気で悩む方が1千万に近くいる計算となります。これは何とかしないといけませんね。
しかし日本消化器学会ホームページで専門家が述べている資料があるのですが、「薬物治療はそれほど期待できないかもしれない」となっています。そして臨床試験によって科学的な裏付けがなされていないとしても、自分に合った民間療法などで対処することも検討してもよいのでは、とされています。
ただ胃腸障害に効果があると定義される漢方薬は多数あるのですよね。そして漢方の理論をふまえて、しっかりと薬を使えば、機能性胃腸症の症状がかなり軽減するはずですし、実際に良くなっている方は多数いらっしゃいます。
具体的には「星火健脾散」「半夏瀉心湯」「黄連解毒湯」「健胃顆粒」「半夏厚朴湯」「香蘇散」「晶三仙」などなどここに挙げられないくらいたくさんの漢方薬があり、これらを症状、体質に合わせて使用することが大切なのです。そして、どのお薬を使うべきかの判断は、やはり専門家に任せる必要があるでしょう。
胃腸がスッキリすると、気分もよくなりますよね。機能性胃腸症でお悩みの方、ぜひ漢方薬の服用を検討してみて下さいね。
【参考;日本消化器病学会ホームページ】