便秘で悩まれている方は多いと思いますが、病院にかかってお薬を出してもらうという方は少ないのではないでしょうか。便秘は病気の一つと言えども、生命にかかわることはなく、ひどい便秘であったとしても市販の薬で対処するということがほとんどでしょう。
そしてドラッグストアに足を運ぶと、便秘のお薬がたくさん売られています。値段を比較して、あとは「コマーシャルで見たことがある」「名前を知っている」などの理由でしか選ぶ方法はないようにも思われます。
さて、その便秘薬に「センナ」が含まれていることが多くあります。センナは生薬の一つで、お通じ改善によく効き、安価であるため、「漢方便秘薬」と銘打っている商品の多くにセンナが入ってるのです。
センナは「番瀉葉(ばんしゃよう)」という生薬名で知られ、寒性(冷やす性質)であり、瀉熱通便(熱を冷まし、便を通す)の効能があるとされます。その効果は強く、排便があれば中止すべきと言われ、妊娠中はもちろん、生理中も禁忌のお薬です。どうしてもお通じが出ない時に、緊急的に使うとされる生薬なのです。
もし常用すれば、体を冷やすことはもちろん、体を傷つけ、消耗させる可能性があります。
そのようなセンナの使い方の原則をふまえず、センナ含有の商品がたくさん売られていることは、危険であるとも言えます。よく効くお薬なので、どうしてもという時に使うことは構わないと思いますが、毎日服用すべきではありません。便秘は特に女性に多いので、便秘薬を使っている方は、センナが入っていないかチェックし、冷えや婦人科疾患、不妊などがある方は、お薬の中止もしくは変更をお勧めします。また原則として子どもにも使わない方が良いでしょう。
ちなみに「センノシド」はセンナに含まれる有効成分です。センナほどの力はないと推測されますが、こちらもあまり体に良いとは言えないように思います。
では便秘の方には何を使えばよいかというと、麻子仁や大黄などの生薬を使うことが一般的です。センナより作用は弱いとはいえ、他の生薬との組み合わせで、十分お通じ改善は可能ですし、やや長い目で見て使用することも可能です。
それでも、合う合わないがありますので、便秘を根本から治し、体質改善を図るためには、ぜひ漢方の専門家に相談の上、服用薬を決めるようにしてみて下さいね。