笑顔が一番-よろず漢方薬局のきままなブログ

静岡県裾野市(三島市、長泉町、御殿場)よろず漢方薬局から様々な話題をお届けします

富山大学横澤隆子先生の講義

time 2016/09/09

日曜日に、静岡中医薬研究会の定例会があり、富山大学大学院理工学研究部で、国立釜山大学の客員教授である横澤隆子先生の講義を受けました。
横澤先生は冠元顆粒の研究で知られ、今回も冠元顆粒の薬理実験の成果を発表頂きました。

私は金沢大学の時から研究志向でしたし、就職してからもしばらくは研究開発部に所属していましたので、基礎研究になじみがあり、懐かしく拝聴しました。
冠元顆粒もそうですが、漢方薬全般がなぜ効くのか、という理由を明らかにしていくことで、もっと漢方薬が認知され、使われるようになると思います。
最近はエビデンスという言葉が流行っていて、何かにつけて根拠や理由を求められます。
しかし漢方薬は自然物であり、効果の明確な原因を突き止めることは容易ではありません。
それでも、横澤先生の研究成果のように、一つ一つ明らかにしていくことで、少しずつでも漢方薬が認められるといいなあと思っています。

せっかくなので今回の講義で横澤先生から聞いた言葉で共感したことを挙げてみます。

★人間の体は複雑
人間の体は、簡単に説明が付くほど、単純ではありません。
機械のように回路があって…という訳にはいかず、驚くほどたくさんの物質がバランスを取りながら働いて生命を維持しています。
どうしても人間は分かりやすさを求めますが、何種類もの生体物質の作用は、組み合わせが無限大となり、残念ながら簡単には説明できないのです。
「なぜ?」と好奇心を持つことは大切ですが、分からないこともあるということを覚えておかなければならないと思います。

★お茶の素晴らしさ
静岡が産地の日本茶は、天然の抗酸化作用を持つ物質です。
先生曰く、「静岡らしく、お茶と漢方薬の関係などを研究されたら」と話されていました。
せっかく静岡に住んでいるのですし、確かにもっとお茶を活用したいですね。

★研究発表をしよう
私たちは日々目の前のお客さんとの相談、対応で手いっぱいになりがちですが、漢方のよさを広めていくには、発表が大切です。
なかなか難しいのが現状ですが、学会発表や論文発表などをもっと考えていくべきなのかもしれません。

他にもたくさんの学びがあった、貴重な講演でした。

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