妊活でよく使われ漢方薬の一つに「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」があります。妊活に限らず、子宮筋腫などの婦人科疾患で病院で処方されることの多い漢方薬です。25番ですね。ちなみに「桂枝茯苓丸加よく苡仁」という処方もあり、125番です。この処方は「桂枝茯苓丸」に「ヨクイニン」という、肌に良い生薬を加えた内容です。

「桂枝茯苓丸」は名前のとおり、桂枝、茯苓が主薬であり、加えて芍薬、牡丹皮、桃仁から成る処方です。「お血」を改善する作用に優れ、特に下半身に作用することから、子宮筋腫や生理痛などの婦人科系疾患に応用されます。
ポイントとしては、「化お」と呼ばれる、血行不良によって出来た滞りや塊を除去する作用を持つ点です。よって子宮筋腫や卵巣嚢腫対策にはうってつけです。
一方で、頭痛や胸痛などの上半身の「お血」に単独で使うことはまずありません。

さて、不妊の原因が「お血」であると考えられる方は一定数いるため、その場合は「桂枝茯苓丸」が選択肢の一つとなります。しかし、現代では、晩婚化が進み、仕事を抱えている方が多いこと、睡眠不足、目の使い過ぎなどから、「腎虚」や「血虚」が不妊の主な要因となっています。そのため、不妊=桂枝茯苓丸でないことは確かです。また生理痛や子宮筋腫があったとしても、「お血」だけでなく「血虚」が絡んでいることも多いため、その場合は「桂枝茯苓丸」だけでは対処できません。
やはり漢方薬は診立てが大事であるため、専門家に総合的に判断してもらい、「桂枝茯苓丸」の服用の是非を決めて頂くと良いと思います。

なお「桂枝茯苓丸」には桃仁という通便作用のある生薬が入っている点も注意が必要です。胃腸が弱く、毎日軟便という方には合いません。

ちなみに「桂枝茯苓丸」は下半身の「お血」に効果を示す処方であることから、精索静脈瘤など男性不妊にも使用されることがあります。この場合も、総合的な体質判断を行ったうえで、服用を決めて頂くと良いと思います。