ペット 犬 猫 外耳炎.jpg外耳炎、中耳炎、内耳炎など耳の炎症は、犬や猫がかかりやすい病気の一つです。耳のあたりを急に頻繁に触って気にするようになった時は、この病気の可能性が高いでしょう。また、耳だれが出たり、においがきつかったりすることにより気づくこともあります。放置して、慢性化してしまうケースも多いようです。
これらの病気は基本的に感染症で、動物病院では抗生物質が処方されることが多いと思います。大体においてはこれで収まりますが、繰り返す場合や薬があまり効かないケースもあります。感染症にかかるということは、免疫力が落ちている証拠でもありますから、そのケアを行っていくことも大切でしょう。
漢方では”炎症”は”熱”と考えます。炎症のある場所は大体において赤く変色しています。これは、そこに”熱”が存在するからに他なりません。その”熱”さえ排除できれば、症状は軽減していきます。
よって”熱”を排除する作用を持つ漢方薬を使用することが基本の対応法となります。
また痒みを伴っていること可能性が高い場合には”風”の影響を考慮します。”風”が体内に入ると痒みを生じるという考え方があり、その”風”を除く作用を持つ漢方薬についても併用を検討します。
具体的には「風熱」を取り除く処方である、「天津感冒片(てんしんかんぼうへん)」や「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」、「越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)」などが候補となります。
とはいえ、その症状や程度に合わせてお薬の選択が変わるため、漢方に詳しい専門家に良く相談して決めることが肝心です。
また外耳炎の場合には塗り薬の併用も考えましょう。もちろん外用は動物病院の薬で、内服は漢方薬と、使い分けても良いと思います。耳だれがひどい場合などにお勧めしたいのが「五行草(ごぎょうそう)」です。粉末になっている製品をお湯で溶かして、点耳しても良いですし、可能性であれば湿布するとジュクジュク感が早く収まるでしょう。