脂漏性皮膚炎 ふけ 漢方.jpg脂漏性湿疹は、皮脂を好む細菌(マラセチア真菌)が原因で起こる皮膚炎と考えられています。生まれて間もない乳児に起こりやすい湿疹ですが、大人にも生じることがあります。私の子供も生後1カ月ぐらいの時にこのタイプの湿疹になりました。
顔や頭などに発生することがほとんどで、黄色みがかった膿のような漏出物を認めます。痒みはそれほど強くないことがほとんどでしょう。ただし同じ脂漏性湿疹でもその程度や症状は様々です。
原因となる細菌はいわゆる常在菌のため、完全に排除することは困難です。普段はそれほど悪さをせずに潜んでいるのですが、ストレスや疲労、偏った食事などが原因で免疫力が低下すると皮膚炎を引き起こしてしまうと考えられるのです。
「ふけ」とも関係が深いとされ、脂漏性湿疹の発症の第1段階は「ふけ」であると考えられています。よって「ふけ」が気になる方は悪化しないように注意が必要です。
脂漏性湿疹は皮脂を好む細菌が原因と考えられるため、その皮脂を減らすようにシャンプーや洗顔に気を配ると良いでしょう。皮膚を傷つけないようにしながら洗うようにします。シャンプーや洗顔料に関しては、漢方の成分が配合された「瑞花露ソープ」がお勧めですが、自分に合ったものを慎重に選ぶと良いでしょう。
西洋医学の治療法はストロイドが中心となりますが、特に顔面に使うと浸透性が高いため、副作用に注意が必要です。ステロイドの使用は症状が強い時に限るようにし、極力スキンケアで対処すると良いと思います。
さて漢方の理論で考えると、脂漏性湿疹は”湿”の邪の影響であることに間違いはありません。その”湿”が生じる原因は様々ですが、その原因の排除が症状の改善につながります。例えばストレスによる「気」の巡りが悪い状態で”湿”が発生した場合においては「瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)」などが使われますし、食べ過ぎなどが原因による”湿”であれば「温胆湯(うんたんとう)」を考えるケースもあるでしょう。
なお乳児の場合や、軽症のケース、「ふけ」だけの場合などは、まず”湿”を取るために「五行草茶(ごぎょうそうちゃ)」というシンプルな漢方を試してみても良いと思います。
脂漏性湿疹を根本的に治すためには生活習慣の改善が欠かせません。中医学的観点から考えた食養生や生活養生とともに、漢方薬をプラスして湿疹をしっかりと治しましょう。