チョコレートと漢方.jpgチョコレートは女性や子供に人気のあるお菓子ですね。「チョコなしでは生きていけない!」という方もいるかもしれません。
しかし、やっぱりチョコレートはお菓子です。食事の代わりには決してなりません。しっかりとチョコレートの性質を理解して摂るようにした方がいいですね。
チョコレートはカカオを主原料として砂糖やミルクを混ぜて作られます。カカオは豆の一種であり、ポリフェノールや食物繊維など体に良いとされる栄養素が含まれています。
科学的に見て、ポイントはまずそのカロリーでしょうか。一般的な板チョコ1枚で400キロカロリーですから、ご飯1杯半ぐらいのエネルギーがある計算です。食べ過ぎは体重増加の原因になることは間違いありません。
また、カフェインが含まれていることも覚えておきましょう。コーヒーほどの含有量はありませんが、体を活性化させますので、不眠の原因になる可能性があります。寝る前に食べる時などは注意した方が良さそうです。
さてチョコレートを中医学(中国漢方)で考えるとどうでしょうか。チョコレートは昔からあった食べ物ではありませんから、その定義はやや曖昧な部分もあります。しかし、現状としては「湿」を生む性質があると考えられています。
「湿」を生むとは、余分な水分を体内に生じさせやすいという意味です。よって、むくみやすい方、下痢しやすい方などは控えた方が良いと思われます。
また、この「湿」は体内で様々な障害となります。具体的には、血行を阻害するなどの影響があるとされるため、「お血」と呼ばれる血行不良体質をお持ちの方も注意が必要に思います。
なお、チョコレートを食べ過ぎると肌荒れやニキビが生じやすい、という説は、科学的には因果関係はないとされます。しかし中医学的に考えると、「湿」がたまれば皮膚病の原因になるという理論が存在します。よって「湿」をためやすい胃腸が弱い方ほど、チョコレートを食べ過ぎるとニキビなどを生じやすいと考えられます。
なお、カカオ豆自体は「熱」の偏りがない食材とされ、砂糖もどちらかと言えば冷やす性質があるとされます。しかしチョコレートの食べ過ぎは「湿」を「熱」に変え、「湿熱」と呼ばれる状態になると考えられています。またカフェインが含まれていることからみても、やや体を温める方向で作用すると捉えるべきでしょう。よって暑がりでお酒を多く飲むような方には、チョコレートが最も合いません。といってもそういう方は、もともとチョコレートを好みませんよね。これは体が「湿熱」を生むチョコレートを受け付けないからとも考えられます。
ちなみに鼻血も中医学では「熱」と考えます。チョコレートとの鼻血の関係も明確な根拠はないようですが、中医学の理論からいえば、考えられ得る症状の一つです。
まとめますと、「お血」「痰湿」タイプの方の他、胃腸の弱い「気虚」「血虚」の方にもチョコレートはあまり良くないと考えられます。
とはいえ、「チョコを食べている時が人生で1番幸せ」という方がもしいれば、それをあえて我慢する必要もないでしょう。また、チョコレートは空腹を満たすためにも有効ですし、疲れた時に手軽に体を元気にさせることも出来る食べ物だと思います
しかし、その効果は一時的で決して体に良いものであるとは言えません。やはりお菓子でお腹を満たすことは考えものです。チョコレートとは各々で程よい付き合い方を考えていくと良いですね。