しもやけと漢方.jpgしもやけに子供のころに悩まされた方も多いと思いますが、最近では少なくなってきた疾患の一つだと思います。とはいえ十分に注意してもしもやけになってしまう方もまだまだいらっしゃいます。家事などで水を使う女性にとっては職業病のようなものでもあるかもしれませんが、何とかしたい症状の一つです。
しもやけに関しては予防が第一であることは言うまでもありません。一度なってしまうとどうしても治るまでに数週間はかかってしまいます。また冬の間ずっとしもやけとなってしまう方も多いでしょう。手袋やカイロを活用して、まずは予防に努めましょう。
さて中医学ではしもやけの主な原因は「お血」すなわち血行不良と考えます。冷えるとどうしても血管が収縮して血液の流れが悪くなります。これはいわば当然のことですが、この「お血」体質が強い方ほど、同じ冷えた環境下でもしもやけが起こりやすくなってしまうのです。なお赤切れに関しても同様で、「お血」体質が関係していると考えます。
よってしもやけが起きやすいということで体を温める漢方薬を服用することももちろん悪くはありませんが、「お血」対策も忘れないようにしなければなりません。「冷え性」対策として使われる漢方薬である「婦宝当帰膠」「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」や「温経湯」などは温める力には優れていますが、「お血」専門薬ではありません。よってしもやけがひどい方には「冠元顆粒」などの活血薬と呼ばれるものを加えると改善は早くなるでしょう。
またしもやけが出来てしまった場合にも活血薬は有効ですが、外からのケアとしては「紫雲膏」を用いると治りが早くなります。特に子供のしもやけに関しては、まずは軟膏を中心として対処し体質改善を考える場合には穏やかな活血薬から試すようにしましょう。もちろん食養生も忘れずに…