肌の色が黒いと健康的に見える場合と、そうでない場合があります。つやつやしたような肌で、適度に日焼けした子供の肌のような黒さであれば良いのですが、張りが無くくすんだ色合いの色黒肌はやはり不健康な印象を受けてしまいます。
数年前は日焼けサロンが流行り、ガングロの女性を多く見ましたが、最近は異常なほど紫外線対策をしている方の方が多くなった気がします。美白ブームですから、もともと肌が黒い方は引け目を感じてしまう時代かもしれません。
ちなみに男性の色黒はそれほど問題にならないようですね。逆に色白であると弱々しい印象を受けてしまうかもしれません。しかしこちらも中性的な男性が注目されているようですから、色黒で悩んでいる方もいらっしゃることでしょう。
さて色黒肌の西洋医学的原因はメラニン色素の問題とされます。遺伝的な要因で、完全に黒であればもちろんどうしようもありませんが、純粋な日本人であれば赤ちゃんの時から黒々しているということはまず無いと思います。段々とメラニン色素の沈着が進んでしまうと考えられますが、この段階でストップをかけることが出来れば良いわけです。よってそのカギは生活習慣にあると思われます。
ちなみに色黒であるともう改善は出来ないと考えてしまう方も多いとは思いますが、色白とまではいかなくとも普通の色になることは決して不可能ではないと私は感じます。特にくすんだような色黒であれば、体質改善を行うことに依り改善を見込めます。もちろんやや長い目で見る必要はありますが、根気強く対策を行っていきましょう。
さて色黒の原因を漢方的に考えると、まず「お血」を疑います。「お血」とは血行不良のことであり、色黒肌の方の大部分に、この「お血」体質が潜んでいる考えても良いでしょう。逆にいえば、この「お血」体質を改善できれば色黒肌から脱却出来ると考えられます。そして、この「お血」体質の改善の漢方薬としては「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」や「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」などが挙げられます。
しかし、ここで注意しなければならないのが「お血」は二次的な要因で発生するものであり、何かしらの「お血」を誘引する体質が必ず根本原因となっているという点です。そしてこの要因は色黒肌の方でも千差万別であり、ここで一言で対策を論じることは出来ないのです。この場合には上記のお薬を服用しても改善は容易ではないでしょう。
ただし、私の印象としては、特に女性の色黒は「気虚」により発生した「お血」の方が多いという感覚を受けます。「気虚」とはパワー不足のことであり、パワーが足りないために「血」が体を巡らずに、「お血」を引き起こし、結果的に肌の色を黒くしてしまうと考えられます。この場合には「気」を補うお薬と「血」を巡らすお薬を併用すれば、もっとも改善への近道になります。
とはいえ、肌の状態や体質は人それぞれであり、しっかりとした診立てが何より重要です。きちっと専門家に相談したうえで服用する漢方薬を決めて、美白を目指してみて下さいね。
色黒肌の漢方的原因と対処法
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